そばのうんちく

 

 


原産地 中央アジアから東アジア東部。
渡来  八世紀ころ朝鮮半島を経由し 高麗帰化人により栽培される。

ソバはタデ科に属する 一 年草の草本植物 学名 Fagopyrum esculentum
ソバは一本だけでは「実」がならない。何本あったとしても、同じタイプの花では「実」がならない。
ソバはヘテロスタイリーといわれる。
ソバのめしべには短柱花と長柱花がある。同じ短柱花および長柱花どうしでは受粉できない。
めしべ、つまり花柱(Style)の長短で短柱花をShort ,長柱花をLong styleと呼ぶ。
このめしべの長さに差のあることをHeterostyleと呼ぶ。
長柱花には短柱花の花粉が必要で短柱花には長柱花が必要。
花は咲いても実がならない、無駄花が多いのはこの為。
ソバは他家受粉の植物です。受粉するには訪花昆虫(蜂、ハナアブ類、)の手助けがどうしても必要。
アメリカでは開花期にわざわざ蜜蜂をレントする。
実になるそばの花は少ない。受粉率は12%と言われる。

昆虫も能率的に花を訪れ蜜を集めます。花が少なく疎らに咲いているようなところは敬遠するといいます。
「ソバの科学」 長友 大著でミツバチの行動が紹介されています。
ミツバチの食物である花粉や蜜のある場所を仲間に知らせるのに「円舞」と「尻振りダンス」がある。
ミツバチは、尻振りダンスの回転数によって、正確にあらわし、力強く幾度も回転してくりかえし踊る
ときは「近く」を意味し、ゆっくりした回転は「遠い」を意味する。
さらに距離だけでなく、ミツバチが方向を知らせるためには、尻振りダンスの「直線路」の方向が、
太陽の動きを同じ角度で変わってゆくことも分かっているという。

ソバの花をようく観察すると、5枚の花被、外側に5本、内側に3本計8本のおしべ、及めしべ
(三稜形の子房と、その先が3本に分かれた3つの中頭)からなる「左右対称花」である。
(ソバは多肥反応に対する適応性の少ない作物である。肥料を多くやったとして収量が飛躍的に
ふえることはない。)


ソバはそれ自体大変吸肥力の強い作物です。他の作物が吸収することが出来ない肥料分でも、
自分の力で溶かして吸収し栄養分にします。やせ地でも生育するとはそういう意味です。
たたソバは倒伏しやすいので、肥料をやりすぎると茎だけが徒長して倒れてしまいます。
やはり工夫がいるみたいです。肥料の窒素、リン酸、カリですが、とくにソバの増収のためには
窒素肥料よりも、リン酸分とカリ分の施肥が重要視されます。茎を丈夫に育て、倒伏を防ぐ、
またリン酸分の増肥は花密の分泌をよくし、昆虫の訪花を助けるとも言われます。
バランスされた施肥は結果としてそばの味もよいということです。
タネ播きにあたっての施肥は畑にどのくらい栄養分が残っているかで量を決める必要があります。

夏に収穫する夏そばと秋に収穫する秋そばがありますが、山形県では秋そばが栽培されています。

収穫後の作業

茎には水分がまだ残っています。(水分20%以上)刈り取ったソバは脱粒させる前に乾燥させねばなりません。
規定水分があります。15%です。水分15%以下のソバ、つまり火力で過乾燥させたソバは粉質を損ないますが、
多すぎても製粉するとき粘り過ぎて粉になりません。うまく乾燥、調整する必要があります。

乾燥させるにはしま立て及びハサ立ての二つの方法があり、その説明です。
しま立ては10束を一組にして、九束は根元を下にして寄り添うように立て、残りの一束は頭からかけておきます。
その数をかぞえれば、収量の予想がつくし脱粒も防げます。
ハサ立ては、両サイドに2本の杭をクロスに固定させ、その間を竹で地面に平行に等間隔で渡したものをいいます。
刈りとったものを50束ずつ一まとめにし、穂が内にはいるように束ねハサに架けます。
「こんにゃくを作るときの灰汁はソバの藁を焼いた灰が一番いい」
一つの茎に出来たソバの種を数えてみると、20粒から50粒、多いもので70粒程の実がなっています。
ただ、茎によってバラツキがあります。おそらく、疎らに植えたところは実が少なくそのほとんどが未熟粒です。
収量は未熟粒を除去し、整粒だけをよりわけるので歩留まりは落ちるはずです。
乾燥させると束ねたソバを振っただけで、実は落ちますが完全ではません。しごくようにして落としています。
土砂、石を除去し玄ソバに磨きをかけます。石抜き装置から小石が排出されます。
ブラッシュマシンで玄ソバの表面に磨きをかけます。

 

 

 

 

 


 

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