熊は呼子の音くらいでは逃げていかない話 
《熊予防・撃退策誰か教えてください》
  

 

平成11年10月24日() PM 4:00

笹谷峠から山形神室・仙台神室に登り、帰りは突風で尾根歩きが嫌なためと疲れから山形神室まで登るのを止め、仙人沢コースで笹谷峠車道宮城県側(このところ3年くらい通行止めになっている)に降りるコースをとりました。
1時間30分歩いて車道に出て、その地点は峠からかなり下になるので、嫌々ながらも車道を歩いて35分、峠まではあと10分くらいというところで道路から10m位上の左斜面に黒いものを発見。最初は特別天然記念物カモシカかな?とも思ったのですが、よくよく見ると真っ黒なその塊は、まぎれもない熊でありました。
大きさは多分1.5m以上はあったと思われます。なにか木の根っこあたりを一生懸命掘っている様子でした。

その時の距離、30mくらいか

普通は熊と遇った時のため 戦うものとして杖代わりのピッケルか鉈(なた)、何もない時は車のタイヤをはめる時のレンチでも持っているのですが、この日に限って何一つ持っていませんでした。
第一、人の多いところのみ歩くつもりだったので、熊との遭遇など1ミリも思わなかった山変人は一瞬にして大パニック!

(何も持ってないぞ。追いかけられたらどうしよう)頭の中は『森のくまさん』状態。スタコラサッサと逃げる山変人と、トコトコトッコトッコトーと後からついてくる森のくまさんの追いかけっこ。
にもかかわらず頭の隅っこの方では『疲れてるし、宮城県の登り口まで降りるのは絶対に嫌だ!』と誰かが頑張っている。パニック、パニック、大パニック。

ところがやっぱり、人間の方が断然賢い。というか、天の声?いや違う。『熊は呼子の音に弱い』と先日ラジオ放送で言っていたのを思い出し、とにかく人間様の存在を知らせるために恐る恐るしかし強く呼子を鳴らしました。
熊はその音で山変人の存在に気がついて、上半身を立ててジィーっと見つめます。

目と目が合うこと3〜5秒 恐怖の絶頂です。(これが素晴らしい美人女性だったら、私の方から走り寄ったかもしれない・・)

ところがところが森のくまさん、恐怖に強張った山変人をまったく無視して、また前と同じ穴掘り動作を始めてしまったではありませんか。
逃げていかないのにはがっかりしましたが、追いかけてくることもなさそうだと思い、熊までの最短距離10mくらいのピンチを早足で通りすぎ、少し離れてからは呼子をピーピー鳴らしながら走って逃げました。
笹谷の駐車場に着いた時は本当にホッとし、背中から冷や汗が流れ出ました。

今までこの場所以上に熊と遭いそうなところは何回も行っているのに、一回も遇ったことがなく、一生遇うことはないかなと思っていましたが、遭えることが出来て山のエピソードが増え幸運でした。今だからこんなことを言っていられるのですけど。
しかしやはり戦う道具がないというのは心細いかぎりでありました。

研究熱心(?)な山変人としては、今度遇ったらどうやったらいいだろうかと、帰ってからいろいろ調べましたところ、熊の走るスピードは100m 6〜7秒だそうで、(追いかけられたらどうなっていたんだろう...?)と改めて背筋を寒くしました。
最終的には戦うしかないのだそうですが、音で逃げていかせるためには爆竹でないとダメだし、スタンガンを持って行くとか超強力なエアライフルを持って行くなどということを来シーズンに向け考えています。
熊スプレーも効果的だと聞きますが、これで絶対大丈夫ということをアドバイスしてくださる方いらっしゃったら、ぜひぜひメールください。

 

 

【遭遇場所】

 

それでは 山変人の第2談にご期待下さい。

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