八方沢

  
  蔵王ダムの駐車場からゲートを乗り越えてどんどん歩いていきます。少し行くと写真の風景が見えます。10分で葉の木沢を渡る橋、20分で八方沢の堰堤に着きます。蔵王ダムが出来る前にも八方沢の堰堤は存在していて(現在のとは別物)変人の父はバイクでよく岩魚釣りに来たそうです。その当時は岩魚の群泳が普通に見れたとのことです。蔵王への登山道、雁戸への登山道はともに入り口に案内板があります。
 雁戸への登山道は八方沢の堰堤のすぐ手前から右折し、杉林の中に入りしばらく左に八方沢の音を聞きながら歩きます。A地点の手前を降りると八方沢の川原。丸木橋があるはずなのですが1998、1999には大雨で流失していました。山の人は対岸に通ずる登山道、釣の人は川沿いに釣りあがります。まずは釣の話。
 会った人から「八方沢堰堤下のプールで40〜50cmを見た」とか「釣った」とかよく聞かされました。変人の最大は25cmであります。ダムには確実に岩魚は生息しています。ハヤも負けず劣らず多いです。
 雪解け時期はA地点でも渡るのが困難なほどゴーゴーの流れになります。変人は5月上旬A地点よりちょっと下流で川を渡ろうとして転び20mくらい流されました。
 B地点まで対岸は崖が続きます。あまり大場(釣に適した淵など)はないのですが小さいポイントの連続です。B地点のすこし手前に岩盤がえぐれた良いポイントがあります。さあここからだと意気込むとすぐにB地点の釜に出会います。直径10〜15mで深さも2〜4mはあろうかという淵で3mくらいの滝になっています。普通の人はここで粘って釣れずにあきらめて帰ります。岩に達者な人はこの場所はクリア出来ると思われます。変人はなんとこの淵を泳いで滝を這い登って上流を目指しました。今思うと誰かの『大物岩魚の釣り方』とか『源流の岩魚釣り』とかを読んで「こういう場所では泳ぐんだ」という固定観念に突き動かされていたようです。苦労してB地点クリア、ガレ場的な川を釣り上がると左手からかなりの高度の滝が流れ込むB地点より多少大きめの淵。C地点です。巨大岩魚がいそうで、やはり粘りましたが釣れませんでした。本流からは14mくらいの滝が流れ落ちています。右も左も50m以上の切り立った崖。高巻き(遠回りして山道を回ること)出来るような場所は絶対になし。泳いでも本流の滝がオーバーハングなので絶対に登れない。やはりロッククライマーなら行けるんだろうなと思いつつさすがにここで諦めました。
 2000/08/27の事故の09/03のニュースで蔵王ダム上流1.8kmで発見と言っていたのはバックオーターからだとC地点より上流になってしまうので、多分ダムの堰堤部からの距離のような感じがします。
 その後、どうしてもC地点より上流に行きたくて一人でいろいろ研究した結果、蔵王への登山道に登り途中から八方沢に降りてみようと思い立ちました。地図を見ながら等高線のゆるやかな場所を探しながら雨量計付近からD地点に降りてみました。登山道を45分くらい歩き、藪こき45分で沢に降りることが出来ました。まったく釣人が入った形跡なし。しかし釣れません。A〜B地点よりもポイントは少なく40分くらい釣りあがりましたが、大場はほとんどなしです。その時「岩魚のゆっくり出来る場所がない。鉄砲水の場合、退避出来る場所がないので下流に流されてしまう。」と自分で結論付けしました。下流で釣った岩魚を放流して自分だけのポイントにしようかなどとも思って行ったのですが、無理だなと諦めました。
 釣り人多くあまり期待できませんが、一週間くらい釣り人が入ってない場合などは堰堤下で40cm1匹、A地点から上流で25〜30cm3匹くらい期待できると思います。
次に山の話。
 釣迷人から山変人に変更してから2回雁戸への登山道は登りました。A地点から急峻な道を登ります。右手に八方沢を見る崖があり落ちる危険性はあります。10分くらいでごく普通の登山道。しかし、かなり急ではあります。南雁戸沢あたりではかなり平らな道が続きます。八方平からの尾根道に出る手前がちょっと右手が急かなと思った程度です。
蔵王ダムゲートから雁戸の南板小屋跡までのピストン 距離12.2Km 時間3.0H 小屋跡より南雁戸山頂まで45分なので蔵王ダムゲートから山頂までは4.5Hの行程になります。さらに北雁戸まで行くとプラス1Hです。まあ手ごろなコースですが八方沢で靴脱いではだしで渡渉するのが面倒でした。山菜はコシアブラ タラノメは発見できずでした。きのこは豊富です。

2000/09/05 記

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