☆☆ 40cmの梅花皮岩魚 ☆☆

 早いもので後10日余りで今シーズンを終わりを告げる季節になった。今思うと色々な挑戦が出釆て私なりにヤッタと思う気持でいっぱいである。いやいやまだ10日も残っている。これから何度渓と対話出来るか挑戦だ。
 まあそれはさておさ、今シーズンも沢山の人との出合い、自然との出合い、そして岩魚との出合いがありいろんなストーリーが描けたと自己満足し、同時に反省もしている。
 春先は残雪の消えぬ中を一人で体力と格闘しながら歩き続け、やっと目的地に着いた時の喜びに心地よい満足感を覚え、青い空と白い雪の中で孤独を楽しんだ一日、思いがけない細山氏、水上夫妻との出会いは私の心の虫に刺激を与えて頂いた。そして劇的な梅花皮岩魚との出合いは自然のすばらしさと共に私を虜にした。この渓を制覇してみたい欲望に狩られたのである。それ以来釣行は玉川だけに絞られ、それ以外はどこへも行っていないと言う異常事態が続いたものである。
 そんなある日、出だしが悪く当りのないままなにげなく針を落とすと何処からか黒影が近付きおもむろに私のぶどう虫をくわえ、そのまま隠れ家へ去ろうとLた・・・。まるでスローモーションの世界だったような気がする。ドキドキしながらおもいさり竿を上けてみると確かな手応え、しかし岩魚は上がってこない。初めての経験であった。この時をどんに待ち兼ねたのだろう。ついに格闘の場が来た。しかし、私は慌てなかった。実を言うと、2週間前、この手応えがあり見事に糸を切られてしまい逃がしてしまった事がある。こいつだ、また俺に挑戦に来たんだ、俺に釣られたいんだと思いながら右へ、左へ岩魚は逃け惑う時間にしたら1分ないだろうが、その時空は一生忘れられないだろう。とうとう、タモに奴が飛ひ込んで釆た。私の勝利である。40cmの岩魚を手にし思わず湧きでる笑み顔は誰にも見られたくない。
 かくして、この良い1日は終わった。足取りも軽く家路につく・・・・・・

後日談。2匹日のどじょうならぬ岩魚をねらうがその後は嫌われています

しかし、すばらしい自然の中での楽しさはいつも目の前にあります。梶川出合いで大石に座り自然の中で食べたおにきりは最高でした。

      平成6年9月  渓のヒマ三郎

   
     
  玉川でたたずむヒマ三郎
   
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