釧路逹庵のきたよし便り

2001/11/28開始
 ━━親父の友人、釧路北病院長様からの便り━━
渓流釣り人にとってはアラスカに匹敵する憧れの場所、
釧路でガンガン釣りまくっている院長先生からの便りです
釧路の地図を見ながらウオッカを片手に北の地に思いをはせる山変人であった

2004/11/20   達庵釣り情報、6 


 あっという間に秋が過ぎ、こちらはもう初冬の風景に変わりました。休日毎に楽しませてくれたアメマス釣りも、もう終わりに近づいています。産卵中に釣るのは控えているので、ごく短い釣りの期間です、でもこれは、高齢の私が控えているだけで、元気な連中はガイドの凍結に悩まされながら、凍った川辺リを足で割ってでも出かけるのです、いつかの私のように。
 私は「そろそろ終わりにしようと思うんだが、まだ大物が釣れて無いんだ明日は、どうしましょうと云うぐらいのを絶対つるぞ」と弟子のN君にメールを出しました。彼は前回釣って、生意気にも、これで年越しが出来るとメールを寄越しているのです。
 11月下旬は冬の始まりで寒さが身に厳しいです、朝5時起床20分で身支度を整え、玄関に昨夜から用意してあるリュックとロッドを持って車に向かう、防寒は十分してあるが、冷たい風が顔を撫で思わず身震いがした。
 まだ暗い、三日月が綺麗だ。雪も雨も無かったので道路の凍結がないから運転は楽だ、1時間で釣り場に着く、既にN君の車が見えた、近づいてボンネットに手をやるとまだ温かい、来たばかりだろう。早速5ミリ厚のウエーダーを履きポイントに向かうと、N君がキャスティングをしている姿がみえた、今年は水が少ないので徒渉は楽でした。
 「どう?調子は」と声を掛けると「2本ヒット」と笑顔が返った、私はさもありなんと頷き乍ら無言でロッドをつなぎラインをセットした。
 今日は宣言通りの大型を釣りたい、年越し出来るような、そんな思いが一瞬よぎったが、直ぐに消えた。
 私は「50cm以上が出たら1尾だけキープするんだ、年越し用の薫製にするから」と彼に伝えて川辺リに立った。
 気温ー4℃、水温3℃、西風微風と云う気象条件、もう少し風が欲しい、水が少なくやっと明るくなったばかりだが、川底がまる見えだ、魚に気付かれないように腰を屈めてキャスティング、1投、2投、反応が無い、N君が大分苦労してランディングしたばかりだから、場荒れしている、少し間を置いた方が良いと静かに立ち上がって下流に移動した、そこでの2投目、期待通りにインジケーターが流心に向けて引っ込まれた。ヒットだとすかさず合わせを呉れるとロッドは弓なりになったが動きが全く無い、あれ?根がかリかとロッドを2〜3回あおると、ググっというアメマス特有の感触がロッド持つ手に伝わって来た、これがヒットの信号、思わず、にやっとする、慎重に取り込む、川底の魚は見えないが結構な型のようだ、N君が駆けて来て様子を見ている、私は「カメラだ」と鞄の中から取りだして彼に渡す、ランディング出来たのは思ったより小さいが、それでも50cmを越していた。
 「まあ良い、これをゲットしよう」私はこう云って魚を押し頂き、腰を降ろして、一休み、サンドイッチと牛乳で朝食をとリ始め、N君は上流のポイントに移った。
 いつもなら、魔法瓶からの熱いコーヒーで体を温めるのだが、今朝はその魔法瓶を忘れて来たので、冷たい牛乳で我慢した。じっとしていると矢張り寒さが手を伝わって染込んで来る、私は立ち上がって下流に移りロッドを振る事にした、ここの場所は暫く休ませた方がよいと判断したのだ、下流では当たりが殆ど無かった、おそらく水量の不足が原因と思えた。大分動いて、体が温まった所で、又前のポイントに戻った。
 いつものポイントだが、もう少し風があると水面が波立って魚の警戒も緩むのだが、これは願っても致し方ない、それで、立ち膝の姿勢でキャスティングを開始する事にして、静かに浅い川辺に膝まずき、斜上流の向こう岸近くの流れにフライを投げた。
 ウエイトが有効に働いて、エッグフライが川底を転がすように流して呉れる。良い調子だ、そして、ここでだと思った所でインジケーターが沈んだ。
 固唾を飲んでこの機を待っていた私の反射神経が間髪を入れずに合わせを呉れた、ヒットだ、ゆっくりと、それでいて重厚な力がロッドを伝わって来る。でかいぞと心が躍った。いや、これは落着かねばならない焦るなと自分に注意を促した。
 それは今までに経験したこともない重い引きだった。ロッドの曲がりが限界なら、4Xのティペットも限界だ、いつまで堪えて呉れるのかが心配でもある。一方アメマスも慌ててはいない、悠然とそして時々私を川中に引きづり込むのだ。それに逆らうとラインブレークの危険があるから、ここはこちらがテンションを保ちつつラインを出すか、身を乗り出すかして対応しなければならない、こんな時には、途中何回も「どうしましょう」と誰かに助言を求めたい気持ちになるのです。
 N君はと上流を見るが彼はこちらを見てはいない、声を出しても聞こえない距離だが、気が付けば、飛んでくるだろうからと、待つ事にした。
 ロッドを片手で持ち、余分のラインをリールに巻取りドラグの助けでとも思うがまだ魚の引きが強く片手では支えられない、ですから、しっかりとロッドを両手でもって胸に押し付けてのやり取りが続きました。
 しかし、長い時間でしたが魚は持っているエネルギーを使い果たしたのか水面近くに浮上して来ました、2回も顔が見えました、でかい!さあ、これからが勝負だあくまで慎重にの一語に尽きる、うまくランディング出来るかアメマスの最後の跳ねで失敗した幾つかの無念の経験が頭をよぎる、今日はネットを使わない、水際が浅いから、運が悪いとネットインに失敗するのだ。
 あくまでも慎重に魚の動きを見てのやり取りをしながら魚の疲れるのを待つしかないのです。
 かくして、無事にアメマスは浅瀬に乗り上げるように引き上げられ横になってしまいました。「やったー」とメジャーで計ると、63cm、フライでの私の最高記録でした。N君はと振り向くと、気が付いたのか駆けて来て記念の写真を撮って祝福して呉れました。私もこれで年が越せます。今年もこれから何回かチャンスがあるでしょうが、体力、体調の関係もあり、無理は禁物、今年の私の釣りは今日で終了として、来春の釧路川に期待するつもりです。ちなみに今日のN君は入れ食いで最高だったと云うことです。
 では皆さんごきげんよう。次回は釣りの短歌を紹介致します。   

2004/11/05   達庵釣り情報、5

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 今年の道東はいつもより気温が高く、雨も少なく、秋の河川の水量不足が心配されました儘秋が来てしまいました。それでも小雨が時々あって、何とかアメマスも産卵に遡上しました。9月中旬からは職場の文化祭に展示するフライを捲いたり、勿論仕事も有り、更に臨時の講演依頼あって、その準備で勉強したり、少々疲れきみでもあり、一日も早く、川に行きたい気持ちで過ごしました。最近血圧の乱高下が続いているのもそのせいにしています。大事なロッドを探す夢をみたりしてましたが、アメマスの産卵は鮭や鱒の産卵後で、産卵の為に使った体の回復は、鮭や鱒の産んだ卵を食べるので体調の回復が早いのだと云われています。ですから漁業者にとっては害魚となっています。
 さて、待ちに待った11月、用事が出来て休みを貰いましたが、朝の内は、空いていますので、2、3時間行ってみるかと用意をしました。そろそろ朝は寒いですから、防寒には、充分注意します。それから血圧の薬を朝起きたら飲んで行く、これは前の晩に用意しないと、忘れてしまいます。
 朝5時起床、洗顔して着替え、下着に貼るカイロをあちこちに付けます、厳寒時にはハッキンカイロを2個も追加しますが、まだそれほどではありません。5時はまだ暗いです。昨晩玄関に置いたロッドとリュックを持ち出発です。
 5時20分、家を出ました。途中コンビニ、ローソンに寄り、いつもの通りハムカツサンドをと思ったが無い、止むなくミックスサンドで我慢、途中何も無く日の出が6時ジャスト、80qで走っていたが大型トラックが100qで追い越して行った、この辺のこの時間帯はいつもこんな調子です。釣り場は沢山有りますが、私は駐車した所から近い所、徒渉が楽で、ヒグマの恐れが無い所、色々条件をつけると2、3箇所しか有りませんので、結構先行者が気になる釣り人なんです。
 待っていた雨が昨夜中しとしと降って未だ空には名残りの雲があり、西北の風も時々強く、先行者なし、典型的な晩秋の天候、気温6度、水温5度、まだ早いが、これからを思い、5ミリのネオプレーンのウエーダーにする、対岸に徒渉するのだが、毎年少しずつ場所が変わる、ストックを使う程ではないが、慎重に渡って釣り場に着きました。
 冷たい風が襟首からしみ込む、慌ててバンダナを首に捲く、小砂利の岸辺には流れ着いた落ち葉が冬近い事を示していました。 
 スコットの5番をつなぎ 用意していたハーディーのリール、これには5番のWFフローティングライン,リーダーは4X12フィート、それに60cmの4Xテイペットといういつものシステムに、市販のインジケーターとウエイトB玉1号でこれも市販のオレンジ色のエッグを水底を転がすように流す、それだけの事だが仕掛けが重いし風が邪魔するとキャスティングがうまく行かず、ライントラブルが続発して釣り人を泣かせる。今日もそうなっては困るので、補助のリールに総べてを作ってリュックにい入れてあります。一投目うまく行ったが駄目、二投目も当たりなし、風で投げ難いが、水面は波立って良い具合だ、三投目、インジケータが止まった、当たりだ、落着いて合わせを呉れるとロッドがいきなり丸くなり、ぐんぐんとアメマス特有の引きが伝わる、「やったー」と思わず口に出たが魚は寄らない、そこから動かずに抵抗しているのです。ラインにテンションを掛けたまま暫くすると、魚は上流に僅かに動いたようで、すかさずロッドを立てた儘少し後ずさりすると、魚は川の中央の流れに出てジイとドラグを鳴らして川下にラインを引いた、大きいと感じた、良かったこれ一尾で良いんだと嬉しさが込み上げた。しかし魚は未だ顔も見せない、何回かのやり取りの末、近寄って来たアメマスは水の屈折もあるから、まるで小さな潜水艦のような姿で五十cmは越していると思った。すっかりエネルギーをなくす迄待たないとネットインにはならない、アメマスは岸近くに寄せられたり、目あったりすると、突然凄い力で川の中央に向け走り出すのだ。さて無事に目出度くネットに納まった魚は55cmの大物でした。カメラに納めてリリース。場所と自分の心を鎮める為に魔法瓶からコーヒーをカップに入れて、一息つく、寒さは感じない、ちょうど今の装備が合っているようだ。
 再びキャスティングを始める、先ほどと変わり無いポイント、今度は一発でヒット、いきなりだった、合わせをしてその儘ロッドを立てようとしても、ジイジイとドラグが鳴って、魚は川下に走り、止めようとロッドを立てたが、ラインブレイク、何だろうあの力、こちらは、全くなす術もなかった。スレだったのかそれとも60cm以上の大物だったのか、それは判らない。兎も角凄い奴に出会っただけでも嬉しい事でした。、
 再びキャスティング、何回目かでヒット、インジケーターが急に横に引っ込まれた今度はばっちりと落着いてやりとりしていたのに、なぜか突然のブレイク、良く見たらエッグフライが無い、いや、正確に云うとフライの上に付けていたウエイトのB玉も無いのだ。何だ、ラインブレイクだったんだ、残念と仕掛けを作り直そうとしたら突風でラインがインジケターを含めて縺れてしまった、これを直すには風の中では容易ではない。予備のリールを付け替える、やっぱり用意しておいて役にたった、無駄な時間は経ったが、それも釣り場の鎮まるのに良い事と余り気にはしない、再びトライ、又ヒット、どうだこんな日は滅多に無いぞと顔が綻ぶ、今度も元気が良い奴だ。所が顔を見せた魚にびっくり何と唇にエッグフライが二個ついているんだ、こんなことって、昨日か一昨日か誰かが釣り落としたのかなと思ってネットインして、そこで驚いた事には二個とも何と私の捲いたエッグでした。しかも一個にはさっき取られたB玉までついていたんですよ、こんな事ってあるんですね。
 そしててその後もヒットは続きました。9時、今朝の最後のヒットを楽しんで終わりました。その頃になると後ろの山からの朝日がポイントを照らします、するとアメマスの警戒が強まりこのポイントでは容易に釣れなくなります。今日は早朝の2時間位の間で良い釣りが出来ました。いつもこんな風ではではないけれど、釧路に住んで本当に良かったと思いましたた。車に戻り、サンドイッチとコーヒーで遅めの朝食美味しかったです。そして昨夜の雨がまさに恵みの雨だったと天に感謝しました。
 この当地のアメマス釣りは12月始めまで ロッドのガイドが氷って釣りが出来なくなる迄続きます。もっとも、それは凄く寒い釣りですけれど。

終わり

2004/10/09

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 御無沙汰しました。先日の(寒河江川の)イトウの話が心から離れません。
 今年の夏は報告出来るような素晴らしい出来事がなく、ついつい伸びてしまいました。尤もそれは、私の場合でして、釣り友は例年通りの道東ならではの釣果があり、まあそれは嬉しい事ではあります。
 何と云っても今年は水不足で情けなくて竿を出さずに帰って来た事も何度かあります。それに86才では人の全く居ない釣り場に一人で行く事自体が周囲の人は無論、自分自信でも何かあったら申し訳ない事ですし、体の方も確かに膝の痛みもあり、血圧も変動が大きく、遠慮もありました。 
 知床の渓流には2回行けました、相変わらずオショロコマの綺麗な姿とまあまあのヤマメにも会えました。森林浴を兼ねたこの釣りは心の癒しにもなります。有り難いことです。
 釧路から1時間位で行ける支流でニジマスが釣れていると釣友のH先生はDr仲間でもありますが、電話がありました。
 「釣り好きの患者さんからの話しですが、ニジマスが楽しめるって、明日行きませんか」
 こんな嬉しいお誘いを呉れるって本当に有り難い友達です。
 「い、行きます、お伴させて下さい」
 私はもう飛び上がるほどの気持ちで返事しました。
 翌朝、清清しい空気を吸って彼の車を待ちました、時間は7時何時も正確です。
 今年は新調の4駆、カーナビ付きです、早速荷物を乗せて出発しました。
 釣り場の川は昔まだバイクでしか乗れなかった時代に行った事がある川ですが、すっかり変わって、始めてのような感じ、そうですよね、五十年も立てば川岸の木々も大きくなり風景が一変してました。道は川に沿い蛇行しながら登って行きます、ポイントらしい所は、全て先行者の車が駐車されています。更に奥に進みますと、どうやら川に降りられて、駐車も出来る場所があり、車を降りました。
 林の間から河原が見えます、静かな流れです。ウエーダーをはき、竿を持ち、一寸した崖を滑るように降りました、帰りにここが登れるかなど一瞬思いましたが、それよりも、期待の川を目の前にした興奮がそれを打ち消してしましました。
 この辺り川は水不足で静かに流れ、大きな石もなく、徒渉も楽です。
 ポイントが掴めません。彼は少し離れて、その流れにキャスティングを繰り返し始めました。こんな所にいるのかなあと些かの戸惑いもありましたが、 兎に角、ニジマスを驚かさないように腰をかがめ、ここぞ思う所へは跪いて、5xのロングリーダ、ロングティペット、フライは10番の自作カディス、それを落着いて投げました。3番のロッドが私の気持ち通りにフライを飛ばして呉れます、それだけでも満足出来る雰囲気でした。
 幾つかのポイントを試みたあと、私はニジマスのライズを見ました。
 パチャンと跳ねました、上流10メートル位、中形の石が僅かに頭を出している流れの1メートル下の所、ようし、とばかりのキャスティング、所が意識し過ぎたのか手許が狂い、距離はライズの2メートル位上流でしたが、横にそれ、しまった、やり直しだとロッドを上げたのか、その辺は記憶してません、いきなり、目の前でニジマスが跳び、あれっと無意識に立てたロッドがぐんぐんと震えて、魚が掛かっている事を知らせていました。
 「や、やっヒットだ」
 と、何か恥ずかしいような、釣れ方、向こう合わせでした。
 この川でのニジマスとの出会いはこんな具合、まるで初心者に戻ったような、出会いでした。30センチにちょっと足りないが、元気な美しい魚体でした。写真を撮ってリリース、彼に報告しようと立ち上がるともう大分上流に登っています。
 余り離れると熊が怖い、今年は熊が多いと云われている、渓流は崖の下で出会ったら逃げ場がないから、それを考えると臆病風が襲って来る。鳥肌が立っような怖さはもうご免です、友に追い付き報告する、「ヒットしました、」彼は笑顔で頷いて呉れました。
  それからは邪魔にならないように、ポイントを交互に分け合っての遡行、まさか熊が怖いなど白状は出来ません。心配した膝の痛みも余りなく充分ニジマスのヒットを味わいました。40近いのがいるそうですが、日中は出ません早朝か夕方、でもその時刻は熊の時間帯です。まあそれで魚も保護されているのでしょう、相変わらず餌釣り、持ち帰りがあり、そのうち釣り場としての価値が無くなるでしょうが、まだ当分は楽しめそうです。
 現在はアメマスの産卵時期で、私は情報を聞き乍らも釣りには行きませんが、近く産卵が終わった後で行く予定です。写真添付しました。風景は知床の渓流です。

2004/06/30

達庵釣り情報3 知床の渓流

 


 本州の方はすっかり夏でしょうが、こちら釧路周辺はまだ初夏を迎えたばかりです。
中でも釧路市を始め太平洋沿岸では、沖合いで暖流と寒流がぶつかり、そこに海霧が発生して、それが押し寄せます、青空の彼方水平線の辺りが鉛色に変わり、それがみるみる内に広がり内陸に向かい押し寄せて来るのです。それを当地ではガスと呼びますがそのガスが町を包みますと太陽も見えず、視界も遮られ、ひどい時は道端の電信柱が2本ぐらいしか見えません、パトカーもしばし止まっている位です。
 ガスが来ると気温も冷え、濃い時には霧雨を伴います。このガスは大体午前か午後のいずれかにやって来ますので、運動会などは運が悪いと、お弁当の時間にかかったりして、そこまでで終わりになることもあります。このガスは道東から千島列島までの範囲で、毎年発生、海難事故の原因にもなります。釧路市附近ではこのガス時期が無くなるのが8月のお盆近くで、もう秋の気候となります。夏、内陸は30度になりますが、海岸地帯はガスのため平均18度で、日本一の避暑地とも言えましょう。  
 さて、ヤマメ、北海道ではヤマベと云いますが、解禁は6月1日、但し、道東地方では7月1日です。理由は,.気温が低い、雪解けが遅いから水温も低い、したがって、稚魚の成長が遅く、マスの子が海に出てしまうまでの1ヶ月遅れとなっています。
 6月に川に行くと15〜18cm位のマスの子、所謂ギンケが群れをなして下るのが判ります、フライを投げれば入れ食いです、勿論釣ったら処罰もんです。
 毎年6月の終わり頃、今年のヤマメはどうかなと、川に出掛けますが、今年も知床の川に行ってみました。釣り友と二人です、熊の心配があり、一人では行けません
 0930、川に着きましたら既に先行者が二人居ました。此処を避けて上流に行きました。紺碧の空、微風、気温13度、水温9度、新緑に包まれた素晴らしい環境ですが魚は少ないです。同行の友達に、いきなり良い型のヤマメがヒット、勿論リリース、しかし、オショロコマの当たりが少ないです、ヤマメも同じ、はて、もしかして、先刻の二人釣れの釣った後かなと、此処を引き揚げ、初めの釣り場に着いたのが11時、釣りを終えたばかりの二人組がいました。
 餌釣りです。例年、大抵、解禁前に、幅広、良型のヤマメが専門人?にこの川は釣られて仕舞うのですが、彼等に罪の意識は全くありません。魚籠に一杯のヤマメを、然もすっかり腹を割いて、きっと商売なんでしょう。困ったもんです、曰く、「地図見て来たのかい、よく判ったなこの川、何?前に來ことあるってかい、」こんな調子です。そして、「ヤマべ、もう瀬にいるよ、ああ、幅広の大っきいのが」と車から手を振って、帰って行きました唖然としている私達を後にして。
 山奥で、こんな連中に意見は言えません、敵にまわしたら熊より怖いですから。 
 さて、毎年見かける事で、それはそれで気分が害される事はありません、先ずは握り飯を頂き、美味しい茶を飲み、ゆっくり時間をおいてからの釣りです。
 魚のプレッシャーどころか、魚自体が持って行かれたのですから、少しばかり気にはしましたが、もともと魚籠は持たないフライフイッシャーですから、渓流にフライを流し魚が反応して呉れれば満足なんです。成る程、良さそうなポイントでは反応なく、餌釣りでは狙わない所にフライを投げれば一発で来ました、20cm近いオショロコマが、何とも言えない嬉しさが込み上げて来ました。写真を撮ってのリリース、流石にヤマメは居ませんでしたが、充分楽しめました。解禁になって丹念に探ればきっと大型のヤマメが釣れる事でしょう。きょうは夏とは云えまだ低温、ブラックアントには反応せずカディスの10番、ロイヤルコーチマンの12番によく反応しました。
 友達も同じような釣果でしたが、彼はダンパラシュートで通したらしいです。
 時期的には阿寒湖のアメマスですが、もう釣り人がツアーで来る状況で地元の私達は遠慮せざるを得ませんし、がめつい釣りは好みませんので、遠のいています。八月一杯はヤマメ、イワナ、オショロコマで楽しみ、九月中旬からアメマスになります。
では、また、諸兄の釣りに幸いあれと祈ります。

釧路の達庵より

2004/05/02    達庵の釣り情報


 5月連休となりましたが、私の勤務先の病院の引っ越しが4月30日にありまして大変でしたので、アメマス之最盛期で釣りは遠慮していましたが、やっと落着き今日2 日朝8時から昼過ぎまで、釧路川の釣り場、と云っても、市街地を流れていて直ぐ側ですが出掛けました。外気温4度位、日中は10度の予報でしたが、低気圧の通過とかで風が出て私のキャスティングでは釣りにならず、ルアーの変更しました、河川敷の川岸には丁度良い間隔で釣り人が並んでいます。餌釣り、ルアー、フライ色々好みの釣り方の老若男女、いつも乍らの釧路の春の風物詩の光景です。
 ルアーはミノーを使いました。色々と使っても使い慣れているのが一番です、本当はどれを使っても釣れるのでしょうが、人それぞれ、ルアーそれぞれです。
 場所は常識的な選び方ですが、まあ、強いて云えば流れ変化がある所がヒット率はよいでしょう。この川は何処でも平均釣れるので人気があります。それに河川敷が整備され駐車場などもあり、市民の運動場やら散歩なども出来ますし、もう少し暖かくなると市民達のバーべキュでも賑わいますので、安全な釣り場でもあるのです。
 安全と云えば、北海道でも道東の川は何時も危険と隣り合わせです、前回はキツネの話を紹介しましたが、釧路の東40キロ位の所にべカンベウシ川があり、有名なイトウとアメマスの釣り場です。型もいいのが出ます。先月半ば友達が行って参りました。
 名人は何と云っても爆釣が好きで、この時期よくべカンベに出掛けますが、その日も60cmを超える大型を始め25尾をヒットさせたそうです、連れの弟子はルアーで4尾釣ったそうですが、そこに行くのに細い水路を2箇所渡らねばなりませんが、湿原の中ですから一歩間違えると本流に、それを怖がり岸がら離れると湿地はこれも危険です。水路はどうしても、迂回路がなく、水路の底は茶色の川水で底が見えないので、足で、嵌まらなように確かめ乍ら渡るわけです。友達は上手く渡れましたが、特に満潮時は危険だそうでその日は半日いた間に3人も水路の途中の深み、こちらでは「やちの目」とか「やちまなこ」などと呼ばれていますが、その底なしの穴に3人も落ちて胸まで浸かり大変だったそうです。
 私は湿原の草花の撮影が趣味の一つだったので、その事はよく承知していますので、年を取った今は誘われても行かない事にしています。
 それにその次の日ぼ新聞にべカンベウシに子連れの熊が4頭も出たので釣り人は注意と出ていましたので、怖いですよね。 
 さて釧路川のアメマス、天候のせいかどうかは判りませんが、五十cmクラスは出ませでしたが、40cmそこそこのが5尾と40cmの海から上って来た大型のウグイ、こちらでは赤腹と呼ばれていますのがヒット、春の到来を実感しました。
 写真添付しました。御笑覧下さい。もっと良い型に恵まれたらまた御紹介致します、では皆様の御健康を祈って終わります。

達庵より

2004/04/17

今年の釣り情報 平成十六年  達庵より 


今年86才、元気とはいえ体力は争えない、若い時には何でもない寒さのなかでも体に凍みて来る冷たさは血圧にも 神経痛にも影響するのは当然、春先のアメます釣りでは、足下の氷が少し解け始めるとまだ固く凍っている川岸では滑る、これは恐ろしい事で転倒して入水したら、一巻の終わりである。川岸が1m位の崖で掴まる所はない 川水は氷混じりの冷たい水だから尚更である。こんな時に良いポイントが ある場合には体にロープを付けてそれをしっかりした立ち木の根元に固定してから、用心してルアーを投げ、ヒットしたら先ず自分に滑るなよと言い聞かせながら、慎重に釣り上げたもんである。今はそんな危険な釣りは自らも慎んでいる、ここまで命永らえ、川に落ちて命を落としては申し訳がないことですからね。 
3月中旬から釧路川の情報は毎日のように耳に入るが出かける事はしない。4月、もう都では夜桜とテレビで映っていた夜、釧路では深々と春の雪が降っていた。 既に1月半ばから職場の若者がフライのタイイングのレッスンに毎週休日に来ているのだが、その折に、彼は昨年の11月終わりの釣りの失敗談を話して呉れた。北海道ならではの話なので紹介しよう。
11月下旬、道東の川には産卵の為に海から登って来たアメマスが釣り人の対象として近年盛んになっている。昔は魚釣りは主に食べるためで、単に釣るだけの楽しみでやっていた訳ではないので、ヤマメは美味しい、イワナは不味いとされ、アメマスは釣りの対象外の魚であった。フライ、ルアーの釣りが今のように盛んになったのはこの十年くらい前からか、それ以来釣る楽しみ、釣るための楽しみが一般に浸透して来たのである。だから、食べずにリリースする事が自然に行なわれてもいた。もっともアメマスは大きいから1尾でも鶏や犬の餌にと持ち帰る人は今もいない訳ではない、餌釣りのおじさん達に多い風習でもあるのだ。
イワナは不味いし、餌の無駄ともされ、釣れると草むらに放り出されキツネの御馳走にもされていた。だから今でもヤマメは新子の内に大半は釣られて秋になるとヤマメは極端に数が減り、イワナばかりの川になってしまうのである。
さて、海から上がって来ても暫くは川で遊んでいて、直ぐに産卵するのではないからフライの釣りとしては、最高の楽しみである、少々の寒さは我慢ができる、川の中流にある深みや、隠れ場所のある所は良いポイントだし、せいぜい二〜三人しか入れない、それでそんな場所は、朝まだ暗い内から場所を取らねばならない、勿論、熊除けには充分気を付けてのことである。
彼の話を始めよう、彼N君は昨年から餌釣りからF.F.に転向しまだ大型のアメマスの体験はない、先輩でこの釣りの名人であるSさんの弟子でもある、何とか今年のシーズンが終わるまでに、釣らしてやりたい親心でもあったのか、明日は暗い内に釣り場に着いて場所を確保し、自分も楽しみ又有り難い事に、私もその仲間にと誘ってくれたのである。この時点では、まさか夜の内に行って車で一夜を明かすとは思っていません、ところが、そうだったんです。
S君は釧路生まれですから、多少はそれがどんな事なのかは知ってはいたんでしょうが、そこはそれ、しっかりF.F.にはまってしまっていたので、ただもう明日の釣りを想像して、喜んでその役を引き受けたんだそうです。
はじめは川の中州に車を留めてと思ったそうですが、直ぐにそれは危険、いつ川が増水するのか判らないと冷静に考えて、道路の山側に車を寄せて駐車、やれやれと明日の釣りを想像したり、好きなCDやラジオを聴いたりして居たそうです。勿論エンジンは掛けていました。車のヒーターを作動させなければ寒くて過ごす事は出来ません、その内暖かさも加勢したのか、次第に 眠気を催して、うとうとして居たようですが、何か車の上でどすんどすんと異常な音がして我に返り、一瞬熊かと心臓が止まりそうに なったそうです。時間はもう夜中の2時を過ぎていました。
暗闇ですがよく見ると車のボンネットや屋根にまで何匹かのキツネが体をぶっつけ
る仕種をして居たそうで、叉もびっくり、これは妖怪かと一時は目も開けられなかったそうです。
犯人はキツネと分かリましたが、何匹、確か5匹はいたそうですが、とてもこれでは眠る事も出来ず、彼は考えたあげくライトを付け同時に警笛を鳴らしました、するとキツネは吃驚仰天、一目散に逃げてしまいました、やれやれ、これで一件落着、まあ、化かされ無かっただけでも良かっと胸をなぜおろしました。 
それから彼は車を本道路の側に移転してました、その方がキツネが遠慮して呉れると思ったからです。
騒ぎが終わったのが3時頃、彼は尿意を催して車のドアーを開け外に出ましたぶるぶると体が震える寒さです、思えば車の中は暖かなのでダウンの上着を脱いだままの姿でした。ふるえ乍ら用をたし、さあ、車へとドア−に手を掛け開けようとしましたが開きません、キツネが来てドアをこじ開けられてはと思って ロックしたのをすっかり忘れていたのです。さあ大変な事です。エンジンは掛かっていますが、ヘッドライトは消してあり、真っ暗、又キツネが5匹も出て来たらどうしよういや、それより明け方は熊の出る心配だってあるのだ、そう思うと恐怖と寒さの二重の苦しみで、何でこの俺がこんな事になったんだ、もしかキツネの仕返しだったのかと情けなくて涙が出て来たそうです。
先輩のSさんは4時に来る約束、ここは携帯の効かない区域です、それまでの我慢が出来るのか、暗いから体を温めるため、走り回る事は出来ない。他の車の走る時間帯では無い、足踏みを続けて少しでも体温を上げる他は無い、真に情けない状態であったと話して呉れました。でも、彼がふと気が着いたのはボンネットの上は暖かい、これはキツネにもらった知恵かも知れないが、と苦笑しながらキツネのように時々ボンネットに背中や腹をくっつけて暖をとったそうです。
4時S先輩が来て彼を救出、彼は携帯の効く所まで、先輩の車でバックし、JFに助けを求め、2時間後、係りが来てドア−をほんの1分足らずで開けて呉れたそう で、いやはや、何とも気の毒な、夜明けの一番良い時間を無駄に過ごしてしまった のです。
 所で私はそんな事があったなんて全く知りません、私が着いた時にはSさんはよい型のアメマスをもう5尾もリリースしたそうで、私は早速支度をして川岸の氷を足で踏み割り流れに立ち釣り始めました。
彼、N君はと聞けばまだヒットはないそうで、見ると私の少し上流でやってましたでも思うポイントにうまくキャスト出来ないのかキャストを繰り返しています、あれでは魚が警戒してしまうのにとも思えました。しかしそれは昨夜の苦労が影響していたからでしょう。
そうこうしている内に私にヒット、良い型です。S君が走って来てカメラで撮影、羨ましそうな顔、そうだ一晩この場所の為に車で過ごしたお礼にと、このポイントを彼に譲りました、大丈夫釣れるからと肩を叩いてやりました。私は少し下流に行きそこでもヒット、しかし彼にはロッドを曲げるヒットはありません。彼は又上流のポイントに移りました。私はそのポイントで、何で出ないのかな、出る筈だがなとキャストしましたら一発でヒット、良い型です、ロッドが真ん丸に弧を描き、ドラグがジージーとなりました、4Xのティペット、切れるか持ち堪えるかやっとランディングしたのは今年一番の大物でした。
 本当は彼に釣らして上げたかったのに、どうして彼にヒットしなかったのか判りませんでしたが、今となって思えば、恐らくキツネの仕返しだったとしか思い当たる事はないと彼は云うのです、本当に私もそう思います。北海道でなければ味じわえない一件だと思います。
さて当地はもうそろそろアメマス釣り大会なども開かれ、これから、春のシーズンが本番となりますが、まだ雪しろの濁りがとれるまでの辛抱が必要です、先週中型がヒット、春が来たんだと実感はしましたが、報告するような釣果はありません。
次回をお楽しみに。
ただ、今回、中央の有名なプロフイッシャーが道東のアメマス釣りのビデオを発売 しましたので、かっての阿寒湖と同じく安い料金でツアーが仕 組まれ、釣り場が 荒らされ、数年でアメマス釣りは、地元私らの楽しみではなくなると思われ、大変 なショックを受けています事を残念ながらお知らせして筆を置きます。
 今年の釣りが皆さんにとって良い記念の年になりますようにお祈り申しあげます。          
                               釧路達庵より

2003/11/12    達庵釣り情報               NOV 12 2003

 

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「お前、立派なファイトだったなあ」

旭川のKさんとダブルヒット


 前回に引き続き釧路地方の秋のアメマス釣りです。今年は例年に比べて大雨が度々あって、その度の増水と濁流で、チャンスを逃してはいますが11月8日、ようやく水が済んで徒渉も出来るとの報告で、誘いを受けて約一ヶ月ぶりのこのチャンスと朝0430に自宅を出ました。
暗闇の国道を西に進みいつものコンビニでサンドイッチと牛乳を朝食用に用意しました。魔法瓶には妻が入れて呉れたコーヒーがあります。車の通行は少なく、海沿いの原野を一直線に作られている一般道路ですから、制限は60kmですが、皆80
kmのスピードで走っています。昔は鋪装でなく夜はウサギが一緒に走って呉れましたが、今はちゃんとした鋪装です。しかし所々修理の工事があるので、目を皿にしての走行です。ようやく集落の灯りが見えてきて、小さな集落に入りますが、そこにパトカーの赤い点滅が見え、近づくと交通整理中で、潰れた事故車があり、それをちらりと横目で見ながら徐行で通過しました。
 近頃、こんな事故が多発して、深夜から早朝の走行は怖いです。ここを過ぎ暫くすると、少し空が白くなってきました、やがて小さな町があり、そこで国道に別れ、北に進路を変更して進み、大きなトレーラーを幾つか追いこし、相変わらず80・で釣り場に向いました。誘って呉れた釣友S君が先に行っているはずなので、気は楽です。道は川沿いですがまだ明け切らないのではっきりは様子は見えません。
 釣り場に着くと、つい三四日前には水没していた中州に車が二台駐車しています、薄明かりなので、友達の車かどうかはっきりしないし、二台とはおかしいと車を降りて様子を見ていると、中州から歩いて来る人、近づくと釣友のS君に間違いない、手を上げて挨拶、まだ水が少しある窪みに車を乗り入れ中州に車を上げ、無事に到着して一安心「車が二台でへんだなあと思ったさ」と挨拶を兼ねて聞くと「旭川のKさんが来てるんだ」とのこと、Kさんは名人で去年もここで一緒に釣った事がある方です。
 早速、車から出て来たKさんに挨拶をして、車に戻り食事をする、外気温マイナス4度、去年よりは暖かいがやっぱり寒い、食事を済ませて、ネオプレーンのウエーダーをはく、ぶるっと寒い、まだ少し気温が下がるのか、いざと云う時のために用意してある、ダウンのジャケットを纏う、アンダーシャツには張付けのホッカロンを三ケ所も付けている、特に右脚は帶状疱疹の後遺症があり、いつも軽い痺れと冷感があるので保温には万全を期しています。
 私の準備が出来る迄二人は待っていてくれた、有り難い事だ。
 河原を少しばかり歩くと川を渡る場所がある、夏の台風崩れの大増水で去年とは川底も流れもすっかり変わってしまっている。幸い水が澄んでいるから川底を見ながら足下を確かめて徒渉した。水量はいつもより多い。
 釣り場の中州のやや上流に上陸、釣り場に着く、此処でも支度は一番遅れました、二人は私の用意が出来て立ち上がるまで、キャスティングをせず、一番良いのポイントを指してどうぞと云って呉れる、私は遠慮なく好意に感謝して、2メーターばかり立ちこんでポイントにオレンジのエッグフライを、彼等は私より少し下流でそれぞれ立ちこみ、キャスティングを始めました。
 水温3度冷たい、でも防寒が効いて快適だ、時間は0630、予定通り今日は絶対釣れるぞと自信を持ってやっているのだが、一番はkさんで3尾も連続ヒットしたのが見えた、型はアベレッジのようだが、どうしたもんか私には当たりがない、そうだ流れが少し強いのかとウエイトを多くし、ポイントに投げてインジケータ−の流れる変化を見つめる、繰り返し繰り替えし、相手の食い気を誘うようなプレゼントを試みる。
 更にKさんが又ヒット、ロッドが何回も弧を描く、しかし、見とれる訳にはいかない、自分のインジケータ−が流れきってしまうのだ。そう云えば、さっきからキャスティングが上手くいかない、ラインがスムースに出ないのだ。そう、ガイドに氷りが付いているのに気が付いた。
 これからに時期はガイドの凍結に注意が必要なのだ、それを忘れていた。ロッドを流れに漬けて氷を融かしてのキャスティング、上手く流してポイントにフライを誘導する、何回目だったのか、インジケータ−が流れ切る寸前、その時何か、僅かな変化?があったような気がしてロッドを少しばかり振って様子を見るとぐぐと魚信があった、ヒットかなとロッドを立てるがロッドは曲がったまま、あれ?根掛かりかなと思って、ラインをピンとは張っていると、矢張りぐんぐんと魚が首を振っているようだ。
 大物だ、私は魚が動く迄は無理をせず、弓なりになったロッドを両手でしっかり持ち、自分の胸に押し付けて待った。すると突然ギーとドラグが鳴り魚が動いた、流れに乗ったようだ、しめた、もうこっちのもの、後の取り引きはドラグに任せて、リールを捲く、体を後退してアメマスを引き寄せるだけだ。しかし、そう簡単に事は運ばない、何としても寄らないのだ。
 さっきからの一部始終を見ていたのかS君が「大物ですね」とカメラを構えるが、「寄らないね、これ以上引くとラインブレークしそう」と私は云い乍ら、でも何とか岸近くに寄せたが何回も強い力で岸から離れられ、もう切れても良い、せめて、顔だけでも撮ってとS君に頼み、覚悟して岸に引き上げたが、そこでラインが切れ、危なく逃げられる所、咄嗟に川岸に座り込み魚の退路を断ち、何とか捕まえた。記念写真を撮ってもらい、「お前、立派なファイトだったなあ」と頭を撫でてリリース、誠に幸福の極みでした。
 魚体は立派で力も過去にない程であったが、体調は53cm位、その後更に一尾が隣のKさんと同時にヒット、もう満足で0830納竿、KさんとS君が車まで来て、私が無事本道路に出る迄見送って呉れた、頭が下がる、その後二人は昼頃迄楽しんだそうだ。
 フライは小型のオレンジと薄緑のエッグ、ティペットは4Xでした。
 この川のアメマス釣りはラインが凍りキャスティングが出来なくなるので、後一回位で終わり、その後は釧路川のルアー釣りに変わります。

2003/10/15    達庵釣り情報



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 「そろそろ、アメマスの産卵の終わった川も有り、食いも良くなったので行きませんか」と誘いを受けた。今年はいつもより早いらしい、「明け方の方が良いですから、私が夜明け前に行って釣り場を確保しておきます、だから後から来たら良いですよ初心者のN君を迎えにやりますから」と職場の釣り友からの誘いは何時も有り難い、余り遅いと晴れの日は魚の付き場に朝日が差し込み警戒が強まり食いが悪くなると云う、「それじゃあ6時にしよう、所でティペットは4Xで良いかね」と尋ねると4Xが普通だが型が大きいので3Xの方が安全だと云う。 
 彼は毎年のように秋のシーズン初期に60cmオーバーを釣る名人だ。この時期アメマスは体力の回復に専ら鮭の卵を食べている、ウエット風にエッグフライで釣る方法もあるが、川底を転がすように流すにはルースニングが一番である。
 去年は4Xでやったが、それで切られる事はなかったが60cmを超えるとその不安はある、その夜は3Xリーダーと3Xのティペットにシステムを変えた。
 翌朝6時、迎えのN君が定刻にやって来た、流石、フライフィッシングにはまりつつある若者の姿だ。釣り場に行く途中もFFの話ばかりで終わる。釣り場迄は一時間丁度で行ける釧路近郊の川だ。釣り場の近くの中州に車を置きウエーダーに替える。
 釣り場を確保していたS君に手を上げて挨拶、N君と釣り場に立つ、S君は予定していた別の用事で急いで帰ってしまった。釣り場確保の為にわざわざ朝早くから面倒掛けてしまった、感謝あるのみである。
 5番のスコットロッドに昨夜作った3Xのシステムをセット川辺に立つ、ポイントは判るが結構流速があり、ウエイトが必要なのでエッグフライの頭にウエイトを付けての第一投、出ない、二投、出ない、三投出ない、期待外れか、いやそんな事はない、必ず出る筈だ、N君の方を見るとやっと支度が出来たらしい、初心者はここが違う、ライントラブルが始まる前から出てしまうんだ。俺もそうだったと思い出す。その内、彼も立ち上がりどうやら投げ始めた。
 私の方は順調なんだがどうもヒットしない、考える、そうだもっと深く沈めるのだと気がついて、ウエイトを更に重くした。川底にしっかりエッグフライが転がるように操作して流すとインジケーターがふっと消えた、私は反射的に合わせを呉れた。
 ヒットだ、ぐうーと深みでアメマスは首を振って動かない、辛抱だロッドとラインを固くもって引く3Xだ、このラインならボートでもきれずに曳けるんだと自分に云い聞かせて緩めずに待つ5番ロッドだからロッドに無理を掛けないように注意して待つ、やがて奴は流れに乗って下流へと動きを見せた、もう大丈夫頂きだと嬉しくなる、既に余分のラインはリールに捲いてあるので、ロッドとリールの操作で充分弱らせて引き寄せる、何度か嫌々をしては見せたが無事ネットインした。
 46cmまあまあの型だ,N君にデジカメのシャッターを押してもらう。熱いコーヒーを飲んでN君に場所を譲る、このポイントなかなか良い。N君のシステムを拝見、これで釣れない筈はないと励まして、私は場所を下流に移動する、ここも良い場所だ、流れの中に岩が散在している。その蔭にマスは付いている筈だ。 
暫くキャスティングを繰り返すが当たりはない。陽も大分上がりポイントに陽が差し込んでいるから警戒しているのだろう。N君を見ると諦めたのか、上流に移動している8時半を過ぎている、もう時間的に食いが止まる頃か、それでN君が諦めたポイントにもう一度挑戦する、ヒットしなければ今日はもう止めだ、そう思って入念にシステムを点検、針先をチェック、流心より少し向こう側を流す、メンディングをして流れに上手く乗せる、何回目か、ようし、上手くいったと流れゆくインジケータに注目、無我の境、赤いインジケータが心持ち沈んだか、それとも光のせいか、その微妙な変化に、ロッドを持つ手が自然に反応した、間違いなくヒット、瞬間大きい手ごたえを感じた。大型な割には良く動く、ジャンプこそしないが力の強い重い引きだ、N君が駆けてきた、デジカメで写すと云う、何回もネットに近づくが、5番ロッドのせいもあるが、寄せられない、3Xのティペットだから切られる心配はない太めのフックだから伸びる事もない、立っている中州に引きずり上げる事だって出来るのだが、N君のカメラはネットインを狙っているのだ。
 何分経ったのか流石に弱って来たアメマスはやっとネットに入った。やったーと思わず口に出た。計測すると53cmある、大きな尾びれがあの力強かった引きを誇っているようだ。立派なアメマスに感謝。 
 「何で僕に釣れないんだア、」とN君がぼやいたが、「その内釣れるさ三年もすれば俺より上手くもなるさ」と私は慰めとも本音ともつかない言葉をくれてウエーダ−を脱いだ。あと何度こんな釣りができるのだろうと祈りながら。
 この辺のアメマスは11月の終わり川が結氷するまで続きますが、釧路川本流のルアー釣りも捨て難いので贅沢な悩みが続きます。60cmオーバーは狙って釣れるには数が少ないでしょう、たまたま幸運な人、いつも釣りに行く人が有利なのは当然休日アングラ−では難しい事です、では又。

 

2003/09/16
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 ご無沙汰致しました。元気で仕事も釣りもしておりますが、今年の夏は天候の不順で冷夏、それに大雨で日高地方ほどではありませんが、もうあとすこしで氾濫する位の水量で、川幅一杯の水は河川敷きの木々を押し流し、流れを変え、好ポイントを潰し全く釣りにならず、報告する程の釣果ガなかったのです。
 今日老人の日、何とか釧路附近の川も良くなリ、釣友の車で河口から40キロ位上流に行きました。誰もが久し振りで、結構奥地まで、釣り人が入っていました。
 別の車で二人、師匠と弟子が同じポイントに来ましたので計4人で半日程楽しみました。ヤマメは少なく、イワナが殆ど、大物にはお目にかかりませんが場所によっては入れ食いでした。内地のように30センチを越すイワナは滅多に居ません。
 今は丁度鮭の遡上直で、産卵中の鮭も注意すれば直ぐに見つけられます。アメマスも遡上中で群れて居ますが、やはり産卵ですから、見ているだけで私達は敢えて産卵後までは我慢して釣りの対象にしていませんが、其れを狙っている釣り人も沢山います。
アメマスを釣る頃、また御連絡致します。

2003/07/05

 7月5日朝0700自宅を釣り友と出発して釧路近辺の音別川上流に向かう
天気予報によれば今日の最高気温15度とのこと、曇りだが晴れそうな空、音別市街を経て牧場地帯を北上、上流の釣り場に着く、風も無く絶好の日和だ、水温12度、車を後に少し歩く、目指す沢は水量が少ない、暫く雨が無いので一雨欲しい所だが、大物は深い淵に絶対いる筈だ、釣り人の姿が見えないのは解禁前に釣ってしまったから、もう此処には来ないのか、まあいい、いつもならザイルを太い樹に留めてから沢に降りるのだが、今日は体調も良いのでそろそろ、注意して急斜面を沢に降りた。友達はテンカラ釣りだ、小さな滝があり深みもある、ここの大ヤマメを狙って来たのだ。沢風が涼しい、気温は18度だがここまでウエーダーで歩いて来たので一息入れて先ずは脱水しないように冷たいお茶を飲んだ、年をとると水分補給は大事な事だ。
 友が先ずテンカラの毛ばりを投射した、出るか、いつもの事ながら第一投は友であろうともドキドキするものだ、出ない?次は崖の縁に添う流れに投射、とたんにバチャっと毛ばりを飲み込んでイワナがヒット、まあまあの型だ、一安心する。 上流の岩場だけにアメマスと違って色が濃く腹が黄色がかっている。さあ、今日は釣れるぞと私は愛用のハーディのバンブウロッドに3番ラインを通し5Xのリダーに5Xのティペットをつけ、12番のダンパラシュートを結ぶ、これで良い筈だ、自身はある、ねらいはイワナじゃない大ヤマメなのだ。
 自分でも美しいと思うラインの軌跡そしてフライの着水。とたんにイワナがジャンプして、フライをくわえた、やれやれ、君じゃないんだ、俺は女王様に会いに来たんだよ、頼むから邪魔しないでくれよと思わず口に出た。
 友は相変わらずイワナで満足して黙々と釣っている。まだヤマメは出ないとの返事だ。こっちもイワナだけだ。思えばこれも贅沢な話し、内地の釣り人なら驚くだろうと心を落着かせる。
 よし、それじゃあ奥の手だ、私は8番の大型カディスにフライを変えた、今迄もこれで何度も大ヤマメと遊んだ過去がある。
 綺麗なループでフライは15m先の白い泡の手前にふわっと落ちた、と同時に水中で銀色に光ったヤマメがフライをくわえた。
ジー、ジーとドラグを鳴らしてヤマメは深みに潜る、でかいぞ、イワナじゃない大ヤマメだ、かくして26cmの立派なヤマメをネットに入れた。
 お前に会いに来たんだよと私はカメラに納めた。よかった来た甲斐があった
 今日はこの他にも良型が2尾出て計3尾、イワナは10以上か、解禁後初めての嬉しい釣りでした。添付写真が送れて本当に幸いでした、ではまた。

釧路達庵より

2003/06/15

 6月15日に予定していた知床の渓流釣りに友達と行って來ました。この釣り場には毎年解禁前の下見に行くのですが、この所10年ばかりは、流れに大きな変わりは無く、ヤマメもオショロコマも型こそ小ぶりになりましたが知床らしい趣に満足出来た川でした。過去10年置きに一度は、大水で川が変わりますが、今年はそんな大雨が春先に無かったと思いますが、それがあったらしく流れの位置も形もすっかり変わった姿で驚きました。瀬が無くなったり淵が埋まったりしていました。川岸の大きな樹が根こそぎ倒れて其れでもまだ枝には緑の葉が着いていて、つい最近の出来事と思われました。
 肝心の石はすっかり洗らわれて苔もついていません、はぐって見ても虫も見えませんでした。これじゃあ魚の餌もなくなったと心配になりました、其れでもパイロットフライのカディスを流れに乗せましたらまあまあの型のオショロコマが出ました。やれやれ、ほっとしましたが、流石に心持ち細身でした。でも元気な引きを見せて有り難かったです、ヤマメの方は大型には会えませんでしたが、パラシュートダンに良く出ましたし、ロイヤルコーチマンにもでました、水温は昼頃12度となり最高のコンディションでしたが、魚は多分餌の多い小沢に移動したのでしょう、いつものように小型がうるさい状態ではなかったです。
 解禁になったら石の状態も回復してまた楽しませて呉れると思っています。毎年ヤマメの天婦羅を食べる会を職場のフライ釣りの仲間とやります、この時には必要だけキープして自然の恵みを頂きます。そんなわけでお見せするする程の美形ではありませんが、オショロコマの姿を添付しました。其れでは又、    

達庵より

2003/06/08

 6月8日釧路近郊の川でのアメマス釣りは一応終わり、今頃はウグイとキウリ魚のシーズンですが、余り興味はありません、札幌や函館方面はヤマメの解禁ですが釧路地方は一ヶ月遅れです、それは、この時期まだマスの子が川を下っているからです。所謂ギンケヤマメでこれは禁漁です。来月解禁になる前にイワナを釣りに行きました。イワナは釣っても構いません、でも、ヤマメが掛かることもあります。リリースするのは勿論ですが、厳密に云えば密猟とされます。法はなきに等しい訳で、今日も川岸には釣りの車が沢山見られました。熊の出没があり一寸気になりますが、友達と出掛けました、イワナの中形が結構掛かりました、殆どドライフライで釣れました。ヤマメも掛かりました私も友達もこの川イワナしかいないと思っていたのに、今日は二人ともヤマメの方が多いのです
 良く考えたら、解禁前に来た事が無く、解禁後はヤマメが釣れない、いや殆どいないのです、聞く所によりますと商売人が釣ってしまうとも云われて居ますが、良くは知りません。今のヤマメは添付した写真のように良い型です。
 解禁になっても時々お目にかかれます。北海道では放流はしていませんから全くのネイティブのヤマメ良い引きを味わいました。
 阿寒湖のアメマス今がシーズンで以前は行っていましたが、現在はツアーで多くの内地の釣り人が訪れ、有名なプロの講習会などもあり、マナーも悪くもう行きません
 これから夏中はヤマメ、オショロコマなどで楽しみます大川でウエッフライで釣ると結構型の良いのが釣れるので期待してます。
  今日の最低温度8度最高13度でした。いまタンポポが咲いています。

では又、逹庵より

2003/05/17

 御無沙汰しました。何しろ春が一番遅い釧路です。桜はあちこちで開花の知らせが ありますが、当地は例年5月20日前後ですから、もう少し待ちの状態です。
 さて、今年の春の使者アメマスは3月中頃から、釧路川の中流で氷が解けはじみた ころ、ぽつぽつ話がありましたが、本格的には四月に入ってからで、やはり中流の 塘路、細岡、附近からの情報が新聞にも出て來ました。でも私は行きません、何故か と云うと、その頃は川辺の足下の土が僅かに表面だけが解けて、その下は未だ凍結 していますから、滑ります、用心していれば良いのですが、大物がかかったら、用心は、魚の方に行ってしまいます、転んで川に落ちたら大変です、何度かその危険を経験した私は、現在の私の鈍くなった運動神経を考えて、はやる心を押さえているのです。四月下旬そろそろ釧路川の下流にアメマスが下降してきます。 アメマスは春海に下り、秋に又遡上するのです、中には中流に住み着いているのもありますが、あまり大型はいません。
  四月下旬アメマスが釧路川の下流、それは釧路市内ですが、そこで釣れるのには理由があります、それは鮭の稚魚です。川ふちにメダカのように群れ乍ら海に下がるのです、それは川辺の何処でも覗けば見えます、5月現在は大きいのは4〜5cm位に育っています、放流もされています。其れをアメマスは狙っているのです。 アメマスは稚魚を食べ乍ら、一緒に海に下るのです、ですから稚魚が見られなくなっ たらアメマス釣りは秋迄お預けという訳です。稚魚はゴメ、カモメなどの鳥から、ウグイニジマス等の餌にもなります。自然のサイクルですから其れで良いのですが、鮭の稚魚の放流は自然とは言えません、アメマスやニジマスを害魚だなんて云いますが、それは人間の勝手な言い分です。 
  さて今年は天候が良く無く寒暖の差が強かったせいか、下りがばらばらで、釣りづらかったようで、期待していた5月の連休には不漁でした。4日、5日と釣果0尾で、ありゃ、どうした、名人と云うわけで名人位返上しなければと思いました。その頃釧路の東、厚岸のべカンベ川は中形が良く釣れたそうです。でも60cmクラスは出なかったと釣友の報告がありました。5月10日11日はもう皆が諦めたのか何時もずらりと並んだ釣り人、今年はフライ釣りの方がルアー釣りより多かったようですが、それが2〜3人しかいません、きっと他の釣り場、白糠の庶路川、茶路川、音別川等、の釣り場に行ってしまったのでしょう
  其れでもまだ鮭の稚魚が見られます、未だ釣れると見込んだ私は、川辺に立って馴れたスコットの5番ロッドを繋ぎました、軽くて降り易いです。
  ラインはシンキングのタイプW、リーダーは4X,7、5呎ティぺット4X,60cmに愛用の緑のマラブーのウイリーバガーを結ぶ。去年もこれで大釣りをした。
  慎重にキャスティングをしたが、当たりは無い、数回目にフライを追うアメマスが足もとに見えた、いるのだと安心したが、食い気がないのか、そうだ、食い気が無い時にフライを変えるか、小型にしてみる、そう気がついて私は、先年私のフライ釣りの先輩と尊敬している、名人から頂いたフライを結び直した。何度かの実績があるこのフライ、やってくれる筈だ。
  アメマスは鮭の稚魚を狙っているのだから川岸の近くにいるのだ、川岸をどたどた歩く釣り人が少ない今日のような日は最高の条件なのだ。川岸は浅く流れも遅いからラインはインターメディエットの方が良いのだが、そこは長年のテクニックでカバーする、フライがポイントに流れた時に期を逸せずちょん、ちょんとロッドを操作する 稚魚に似せた仕種をイメージしたテクニックだ、とたんにぐぐと当たりがあり、合わせを呉れると今度はアメマス特有のぐんぐんと首をふる動作が伝わって来た。やったーとロッドを立てる大きいかな、いやアベレージサイズだ、嬉しい春だ春が来たのだと釣り人は思うのである。釧路の春の風物詩の中に自分を意識する、至福の時だ。
  このようにこの日は大小合わせて朝3時間で5尾、いずれもリリースしたが、近くの餌釣りのお爺さんと云っても私より幾つか若かったが、アメマス、それに小型のニジマス、大型のウグイを上げていた。ウグイはこの時期釣れるが、もう、本来ならばキウリ魚の遡上の頃だ、それも少し遅れているようだ、何でも海水の温度が例年より低いのだそうだ。サクラマスは北海道では川では禁漁ですが、それもこれからです。
  釧路地方のヤマメの解禁は7月からでまだ一寸まがありますが、叉おしらせします。
  其れでは、良い釣りを祈ります。写真は別に送ります。

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