『鎮魂歌』馳周星 角川書店 1997
第一回大藪晴彦賞を受賞作家。それだけに作品は非情な暴力、殺人シーン、レイプシーンの連続。しかし、引き付ける力、文章のパワーが強く、投げ出さずに読ませてくれました。 主人公は台湾の殺し屋 元悪徳警官 の二人
新宿歌舞伎町の暗黒街は中国マフィアの巣窟になっていて、北京派、上海派、台湾派が日本人ヤクザとともに入り乱れて勢力争いを繰り広げている。そこに天安門事件の民主化運動家くずれなども絡んで主人公が各場面に組み込まれ話は進展していく。 私の年代になるとこういうテンポの早いバイオレンス小説は体質に合わないような感じで読みました。しかしかなり売れている作家ですので若い人たちがけっこう読んでいるのでしょう。 フィクションにしても新宿歌舞伎町の状況はある程度この作品に似たものなのでしょう。 怖いですね。 現在 読みたい本なしの状態が二週間続いています