2000
『クイーンズ海峡』佐江衆一 新潮社
1999
アヘン戦争当時の中国を舞台にした歴史小説。主人公は東シナ海を舞台に活躍する海賊、“東海の青龍”こと周時珍。脇役 女海賊、主人公に日本剣術を教えた老人、林則除、高杉晋作
当時の大英帝国はヴィクトリア女王が即位し、めざましい海外進出を果たして栄華を誇っていた時期。清との貿易が輸入超過になりかねないと見るや、自由貿易を言い分に鴉片(アヘン)を持ち込み、それによって莫大な利益をあげていた。
暗躍するジャーデン・アセソン商会、そしてアヘン戦争、香港島の領有・ヴィクトリア市建設と、大きく歴史が展開する。
佐江衆一というと『黄落』が頭にあり
老人ボケ関連の社会派作家と思っていましたが、アヘン戦争当時の冒険小説ということなので読んでみました。おもしろかったです。
アヘン戦争を知りたいと思っていましたが、なかなかいっき読みするような小説なくてやっとめぐりあえたという感じであります。
林則除という中国の英雄がいたというのは知っていましたが何をした人なのかは初めて知りました。英雄というよりは清国を愛する頭の固い官憲ですね。林則除が英国人からアヘン没収し廃棄してしまうことから宣戦布告されてしまうのであります。彼がうまくたちまわれば英国のいいように歴史は動かなかったのかも。
|