2000/11/23
『サンチアゴに降る雨』大石直紀 光文社 2000/11
今日はぬけるような青空。
これを午前中かたずけてから愛宕山に登って千葉国際駅伝を見ました。
またまたピンポーン
この作者は『パレスチナから来た少女』に続いて2作目です。『パレスチナから来た少女』もかなりおもしろかったです。その時高三の娘にも読ませたところいっき読みで一日でかたずけました。
サルバドール・アウグストとはなんでしょうか?チリの好きな人はすぐ判ると思います。
サルバドール・アジェンデ アウグスト・ピノチェト 近代チリ史上重要人物二人のファーストネームであります。
1970にアジェンデが国民投票で世界初の選挙による社会主義国家を誕生させます。1973にCIAとチリ軍部のクーデターにより殺されピノチェトの軍事独裁国家になります。その日サンチアゴは快晴。しかしチリ国営放送は「サンチアゴには今雨が降っています」という声を流し続けたのだそうです。
私は1978サンチアゴ、バルパライソに一ヶ月くらい滞在しました。夜は戒厳令で外出禁止。戦車が市街地を走り回る音を聞きました。その時は反体制派と思えるような人とは会わなかったのですが、ごく普通の人から「アジェンデ時代の方が良かった」と聞かされました。今思えば反体制地下組織にでも入り込んでチリの重信房子になるのも悪くはなかったななどと思っています。
1989にピノチェトが国民の世論および米国からの圧力により大統領選挙を行い軍政から民政に移行します。現在彼がどうなっているかは最近のニュースでたびたび報道されています。
小説は 1973 1985 2001 の時代が交差し話が進みます。戦後すぐ南米に移住した元日本軍人が話の背景として影響を与えています。
思い入れのある場所の話だけにたいへんおもしろかった。
2000/12/18 ki太郎様(私の書庫に家を提供してくれている人)から
「サンチアゴに降る雨」大変興味深く読み終わりました。ブッシュの息子の大統領就任のくだりも的中し,なかなかおもしろかった。
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