2001/01/14

死は炎のごとく梁石日 毎日新聞社 1,800 2001.1.1 

 』はすごくおもしろかった。『血と骨』は主人公があまりにもオドロオドロという感じで暗くて重く読むのに疲れました。』を期待して読みました。
 朴正煕政権時代の在日韓国人・北朝鮮人社会における韓国の民主化運動が話の背景。在日韓国人の男が主人公。途中、金大中大統領の拉致事件が作者なりの考察により書かれており、最近の週刊誌記事で日韓政府間で暗黙の約束があった真実?に迫っています。拉致後、KCIAが漁船で日本海を渡ろうとするとき米軍が「絶対に殺してはいけない」と連呼し、圧力をかけたため朴正煕は金大中氏を殺さなかったのだそうです。
 日本では、北朝鮮の金日成 金正日ばかり悪役としてクローズアップされている感じがしますが朴正煕という人もかなりの悪だったようですな。まったくやりたい放題の政治をやっていたみたい。
 主人公の意志、行動にあわせて韓国政府に対するある作戦が着々と実行されていきますが、最後に何が待っているのか?
 韓国軍、KCIA、日本公安、北朝鮮、爆弾テロリストたち等などのさまざまな思惑が絡み合って、おもしろかったです。
 
”ある作戦”の後どうなったのかも知りたいし、登場人物のバックがもっとはっきりわかったほうがすっきりして良かったとも思いましたが、作者には作者の考えがあるのでしょう。

 
 


 
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