佐倉藩・柏倉陣屋跡

  


長い峠を越え河を渡ったところで、「與七郎、向こうに三角の山が見えるだろう。その山のふもとが御陣屋だ」と父が言った。


指さす先を見ると、広い田んぼの先にまるで作ったように美しい三角形の山があり、その手前の小高いところにいくつかの建物の屋根が見えた。
「名奉行・田内與七郎物語」(結城敏雄著)の冒頭の一節である。與七郎とは田内與七郎成伸、後に柏倉陣屋代官となり人々の信望を集めた佐倉藩士である。

『柏倉陣屋絵図を読む』から引用