山形そば黄門漫遊記7

「ご隠居、ご隠居、ねぇ知ってます?松野そばには弟が居て、これがなんと同じ白鷹の町で同じようなそば屋をやってるんですって」
「ほほぅ、それは知りませんでした。さっそく調べていらっしゃい」

 白鷹町の役場の裏手(近々道路が拡張になるとかで、どこかに移転するようですので、行くときは確認しましょう)こちらは味代乃そばという看板まで出しているので比較的分かりやすいかな。ただし、どっから入ったら良いのかチト迷う。でも、やっぱり年中はやってないから注意のこと。それから、電話をしてから行った方がこれもやっぱり良いみたい。
 蕎麦粉が新しい時期、水が冷たくそばが締まる時期しかしないのはある種の拘りか、先日も花見の時に食えないだろうかと頼んでみたが、だめだった。
 まぁ、このあたりが良くて行くのだから文句は言えないが、なかなか行けないのが残念なのだという人が多い。

 兄弟して誰に習ったのか似たようなそばを打って似たような味を出す。見たかぎりでは区別がつかないような感じのそばだが、食ったら好き好き。気持ちこちらの方がやわらかな感じがする。
 私なんかは、兄弟と知って行ったものだから、面白がって食べ比べをしてしまったが、知らないで行った人は「言われてみれば、なるほどねぇ」なんてつまらない感心を口にする。「どっちがうまい」って聞くと、みんな「んんんーー、俺は×××かな」くらいの返事をする。
 黒くて固め、兄貴は兄貴、こちらはこちら、もしも交互に出されたら黙って食うしかないだろう。

 ところで、そばもそうだが、所詮在郷のごっつぉう(ごちそう)付きで出て来るおかずもそれぞれなかなかのものが多い。これは婆さまの腕次第なので、そばとはまったく別の話。特に定番の漬け物は、その辺の売り物とは比べようがない。何たってタイミングが良ければ、桶からでてすぐの物がでてくる。まずうまいことうまいこと。
 ちなみに、ここの婆さまは漬け物じょんだぞぉ。(上手だぞ)

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