山形そば黄門漫遊記12

 そば屋といってもその店構えからして様々なものがある。2〜3本手打ちそばの旗立てて、ちょっとやそっとでは来る人も無いような場所で、なんの事はない廃屋みたいな百姓屋をちょっと改造した程度、柱は曲がっていてまさか倒れはしないだろうが、金取ってそば食わせる所とは思えない。

 「全く何時来ても倒れでこねがと心配さんなねずねぇ」
 「まぁ倒れねでいんだがら、大丈夫なんだべずねぇ」

話が弾んだところにそばが来る

 「この皿いいずねぇ(いいねぇ)、割れそうで割れねんだべねぇ」
 「このボロ屋ど一緒だべ」
 「一枚食うど600円、2枚だど1000円てのは誰考えたんだべ」
 「やっぱしそばは腹いっぱいで1000円限度だな」
 「次年子も1000円だなぁ、んでもあっちは食い放題だどれ」
 「んでも、一枚しか食わなくても1000円だべず」
 「こっちはあっちより暇だがら、ゆっくり計算するいんだべ」

やっぱりそばおかわり

 「んまいずねぇ(おいしいねぇ)
 「腕もあがったし、こんで儲かってるみたいだなぁ」
 「んだげど、愛想無いずねぇ、進歩ないずねぇ」
 「しょうないべ(仕方ないだろう)、そば屋なんてこだな(こんな)もんなんだがら」
 「あぁ、ここは熊だどれ、犬が猫なら(犬か猫なら)少しは愛想もあったべずねぇ」

 国道287号線、白鷹町から朝日町の方に向かって少し行くと左側を流れる最上川に架かる赤い橋が見えて来る。その橋を渡っていくと高岡という部落に入る。少し行って右に210度くらい曲がる道があるので、右に曲がって行く。
 さらに少し進むと何にも無いところ
だから、すぐに分かるはず。そば屋の名前は熊屋そばは黒くてかため。
 赤い橋見落としてしまった人は、もう少しまっすぐ行って「あゆ茶屋」にでも行ってみましょう。

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