山形そば黄門漫遊記23
「ご隠居、ご隠居、天気がいいんでどっかへそば食いにでもいきませんか、あっしは一度鶴子そばに行ってみたいと思ってたんですよ」
「ほほー、話には聞いていましたが、何でもあの次年子で修行をしたとか聞いていますがなぁ、そうですなぁ何はともあれ行ってみましょうか」
「そう来なくっちゃ、じゃぁあっしは準備してまいります」
「八兵衛、タオルなんか持ってきて何をするのですか」
「いやなにね、すぐそばに温泉があるそうで、これがまたいい湯で、びりびりどっかにしみてすごいそうで、あっしも一回ためして見ようかと思いまして。良かったらご隠居も試されますか」
「いやいや、そのことなら私も聞いておりますが、まぁ遠慮しておきましょう」
国道13号線北上し、尾花沢から標識に従って鶴子ダム方向へ、好きな方なら春や秋には甑岳を巻くようにして景色を楽しむコースも良いでしょう。ちょいと時間はかかりますがのどかでストレスのないところです。
もうすぐダムという感じのあたりで、ようやくそば屋の看板?が見えてきて、「ああ間違いなかったなぁ」と安心します。
真偽のほどを私は確かめていませんが、御隠居が言ってたように、あの次年子で修行をしたということで、大根下ろしのしぼり汁の辛さが印象的です。勿論そばも結構ですが、柔らかく煮た鰊がたいへん美味しかったです。ハイ。日頃は、そばに生臭はあわないよ、と馬鹿にいたしておりますが、待ってる間冷えたビールや、冷や酒などでいただきますと「人間に生まれて良かったなぁ」とホントに思ったりします。(かなりオーバー、只酒が飲みたいだけじゃないの。エエィ静まれ静まれ静まりおろー、頭がたかーい、この紋所が目には入んないだろから、文句のある奴は行って食ってからにしなさい)
「ところで八兵衛や、例の湯には入ってきましたか」
「いやいや御隠居、それがね、きくきくとは聞いてはいましたがね、なんでも湯に浮かんでる袋の中には唐辛子が入っているそうで、すごいのなんのってなんですよ。あっしなんか効きすぎちゃって、実はまぁだピリピリしびれている感じなんですよ。ほんとにキクーーー、今日眠れるかなぁ?」