山形そば黄門漫遊記29
昔はそばを挽くのに水車小屋がよく使われたそうです。ド田舎の水車小屋でドンドントントン????よく見かけたそうです。
水車そばという名前はそんな昔の風景から来たのかも知れません。天童の川原子のそば屋です。行き方は簡単で、天童から関山(仙台と言った方が分かりやすいかも知れません)方面へ5〜6分行くと右側に案内がありますので、注意しながら行けば誰でもノープロブレム。
黒々とした、もしかしたらちょっと青みがかった太め、そして硬めの田舎そばが出てきます。弾力があって箸で押さえづらいかもしれません。たっぷりのネギと、たっぷりのタレをつけてひたすらすすりまくります。アァーうまい!声に出すと店の婆様達がのぼせるといけないのでグット堪えます。
そういえば最近細目で軟らかめのやつばっかし食ってたなぁなんて、くだらない事を思いながらこのド田舎そばを堪能します。初夏の漬け物は酸っぱいたくあんでした。古くなったので煮なおして酸っぱくしたのかなぁなんて考えながら小皿に山盛り出してくれた酸っぱいたくあんをペロッとたいらげます。(余談ですが、たくあんが古くなってくると、つゆを煮返したりして腐らないようにします。そんなとき薄く切って酢につけたりして味を変え、楽しむものなのだそうです。)
店のそばの小屋では粉をひく音がします。昔はここに本当に水車があったのだそうです。コトコトコットンコトコトコットンファミレドシドレミファーと教科書風の(さっきと違うななんて言わないこと)音はしませんが、目を向けてしまいます。話は変わりますが、天童の町中ににもおなじ名前の水車そばがあります。
こちらはより太くて硬くてボッソとした感じです。たしか店の前に水車があったと思います。
「親戚かなんかなっているんだがぁ?」と聞いたことありましたが、どうだったか覚えてません。ただ「おら方(川原子の水車そば)は、前は冬はしてねっけがらなぁ(以前は冬季間は営業していなかったからね)」と言われたのを覚えています。確かにそんな感じの景色の良いところであります。なお、天童町中の水車そばは、No.1ホテルであります「滝の湯」のすぐそばにありますので、聞けばすぐに分かります。腹が膨らんだら将棋の駒の製作実演がそば屋のとなりあたりで見れたはずです。(保証はしません)