山形そば黄門漫遊記48
さて、あっちこっちと回ってばかりいますので、たまに町中で尋ねられたりすると何と答えたらいいのか分からなくなってしまいます。
なんかの本によりますと、山形にはソバリエなる案内人がおるそうで、どっかのホテルなんかではそば案内の資格??所持者をおいている所もあるそうですが、まさか客寄せではないのでしょうから一般大衆は利用しにくいもののようです(そう思う一般大衆はいないでしょうし)。
でも、そんな所にも余計なお世話やきが居ること自体、さすがは我が町、そばの町という感じでちょっとうれしくなります。一方、そば屋のガイドブックもよく出され、余計なお世話をやいてくれます。もっともこちらは商売ですので仕方のないことなのでしょうが、いらぬ情報が満載されているようです。
また、新聞やミニコミ誌なんかにもよく特集されますが、これまた商売ですので3〜4割引くらいに読めば少しは役に立つようです。お金払って宣伝するのはそば屋の勝手だからしょうがないのですが、「そば屋がそば以外で宣伝してどうすんの!てんぷらや、乗せる具なんかは店に来てから選ばせればいいじゃないか、余計なもので目立とうとしないで、そばが食いたくなるような宣伝をしたらどうなんだ!」と言いたくなるのは私だけでないようです。
ただし世の中、「私は肉食動物のようで、そばしか無いんだったらとてもじゃないが物足りないんで、行く気もしないよ」なんておっしゃる方もおられますので、私の思い上がりは通用しないのも事実のようです。
そういえば大事なお客様が来ると、飼っている鶏をしめて振る舞うのがおもてなしだったそうですから、やはりそばは”たかが”そば、それだけではどっちかというと貧しい食べ物だったのでしょうか。
『そばがき』にしたってもともとは”お米をのばしたオカユ”をもとに、”米よりさらに安いそば粉でのばしたもの”で、人によってはすいとん以下なんだそうです。たまにはそばがきも食べたくなりますが、本当のそばがきってもしかしたら屑米(こう言ってはなんですが)、喩えて言うなら標準価格米の古々米よりももっと安い米で作ったオカユを、これまたもっと安いそば粉でのばした物なんでしょうか。
芋粥とか大根飯なんて食べ物をテレビのドラマなんかで耳にしますが、その手の貧しい食べ物だったのでしょう。
そんなものに比べれば、メニューにでてくるそばがきは、オカユだってそば粉だってとびっきり上等なものを使って作るもので、『かいもち』とおっしゃる方もおられます。山形では、納豆、ごま、ぬた(ずんだ)なんかをからめていただくようですが、美味しい食べ方があったら教えて下さい。
あと、そば粉の比率やその他材料をご存じでしたらメール下さい。