山形そば黄門漫遊記47
岩手県の一部の地方で、余所様によばれてご馳走になっていても、そばが出されたら「もぅお開きにして、お帰り下さい」という習慣があると放送されていました。感心しながら見ていたのですが、『一番手間のかかるご馳走』という件りはハッとさせられました。”何にもない田舎のご馳走”と馬鹿にしていたわけではないのですが、軽く考えていたような気がして、そういえばそうだなぁと勝手に感動してしまいました。
長井の西山の麓は、歴史的に見て山形でも古くから人が住み着いた場所の一つだそうで、いろんな遺跡があったりしています。
その昔、南や北からやって来た我々の祖先は、海伝いに来たために川から内陸に入ったのだそうです。南から来れば荒川を、北から来れば最上川を遡って適当に住み着いていったのでしょうか、そんなに高くない山に挟まれた長井の盆地は何となく住み易そうに思ったのかも知れません。
そしてそんな人達の縄文遺跡が史跡として、立派な資料館とともに近年整備されましたが、あわせてそば屋も整備されました。
なんでもこの辺はもともとそばの栽培が行われていたらしく、名人?が多かったようで、おだてられて?・・やってみようかとなったのでしょうか。まだまだそんなに繁盛してはいないようですが、店に置かれてあるノートを眺めてみると観光ついでに混じって、縄文そばの館にわざわざそばを目当てにいらっしゃる方も多いようで、そんな意味では先行き有望かと存じます。
新聞によれば、そばを打つ人は一人ではないようでして、前出の名人のグループがあるようです。そしてその方達が頑張っているようで、確証はないのですがその都度違った感じのそばが出てくるような気がしています。(私だけがそう思うのかも知れません)ちょこっとずつ出てくる漬け物は、お酒をいただきたくなる出来栄えですが、時々おまけが出てきます。この前出たのがうどの粕漬けでして、これが何とも全く大変結構なもんで、いやぁ一人で車なんかで来るんじゃなかったと、つくづく情けなくなった次第でありました。
冬になって雪でも降ったら、誰も来なくなるんじゃないかと心配してあげたくなるくらいの場所ですが、大雪でも降れば大石田のわらぐちそばみたいに静の世界が見られそうで、ぜひ来てみたいという衝動にかられます。
長井の、西山の麓、これまた伏流水の名所。朝日連峰への玄関、葉山の登山口の近く、とてもじゃないが場所の説明はご勘弁。草岡という部落へ行って聞けばよいと思います。
夏は自然がいっぱいの気分の良いところ。春は桜回廊巡りのついでに。どうぞみんなでいっとごやい。(行って下さい)