山形そば黄門漫遊記53

 さて、そもそも山形のそばが評判になったのは、なんでも何かの週刊誌の特集で大変成績が良かったからだと聞いています。要するにそば屋もそうなんでしょうが、そばの業界全部が一生懸命だということかと思います。なぜって、その手の特集で余所様と比較されるとすれば、当然乾麺でと言うことになるでしょうし、実際そうだったようです。まぁ山形のそば、何から何まで実力推して図るべしということでしょう。

 さて、乾麺もそうですがいわゆる生麺も結構ハイレベルで、製麺会社の意気が感じられます。第一、山形は食う人が人ですから大変です。やたら種類を置いている大型スーパーなんかで、注意してみるとわかりますが、売れないのは売れないのです。商品の日付で見るとさらによくわかりますので暇と機会があったら、なにを言いたいのか見てください、お分かりいただけると思います。

 その手のそばにもまたそれぞれにファンがおります。鈴木の生麺買いに駅前のデパートまでわざわ行ったとか、青柳のはほかよりチョット日持ちが良いとか、羽黒そばはゆで方でだいぶ違うとかさまざま言う人がいます。おまけに付いてる”ただのたれ”をのぞけばこの手のそばも良いのは結構なもんです。

 そういえば町の食堂なんかでも「うちは城北の特製を頼んでいるんだ」とか、「酒井に特別のを頼んでいるんだ」とか言っているところがありました。ホントかウソか知りませんが、製麺会社もそこまできめ細かく対応してくれているのでしょうか。さすが山形というところでしょう。もっとも食堂と書きましたが、そんな店のおやじやおばちゃんの中には結構そば打ち名人がおられるそうで、たまに周りをびっくりさせることがあるんだそうです。やればいいのにと思うんですが、「ご飯物もあるんで、そばばっかしやってらんねぇ」ということなんだそうです。案外名人がゴロゴロいるのかも知れません。
 東京の友達が山形からの帰りにそばを買って行って、その夜食べたら美味しかったそうで、その次は余計に買っていって知人にあげたんだそうです。乾麺ならわかりますが、生麺でそれやったんだったら結果は火を見るより明らか、まさか捨てられはしなかったでしょうが心配いたしました。そう言えば何時だったか、あるそば屋で「これおみやげに買っていったら、2〜3日くらいは冷蔵庫で大丈夫かなぁ」と言う人に、それでなくても愛想のない親爺が見向きもしないで、「2〜3日してがら買いに来てけろ」と大きな声で言ってました。全くごもっともなことであります。

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