山形そば黄門漫遊記61
そばがいかに庶民の食生活に密着していたか、あの町この町の店を見ればある程度分かるものです。それなりにご馳走と感じさせる店があり、そうでない感じの店があります。りっぱな?構えの店もそれなりに入りにくい時があったりしますが、初めての時は、言っちゃ悪いが「めし屋」的な方が入りにくいもんです。何となく地元密着で、よそ者はなにしに来たという目で見られないだろうかなんて心配になったりします。それでもそっちこっち行っていると、そんなところも楽しみの一つになってきて行ってしまいます。
「物好きが、誰かに聞いて来やがった」というような目つきで、「いらっしゃーい」とジロッと見てくる。注文だってそう簡単に取りに来ない、こっちから言うのを待っている。全くの田舎者(お互い?)、人見知りっていうのかしら。そんな時は、「おおもり」と大きい声で言って、「もりの大盛りだねっ」て返事を確かめて、後は黙って店の人や常連さんとの話に聞き耳立てていることにしています。まずしゃべることしゃべることしゃべること、お客もみんな楽しそうです。まぁいわゆる食堂的そば屋ってこんなもんでしょう。山形の西隣、山辺の浪花亭、ボロボロ、ボソボソの太いそば。前に「不揃いな何とか達」という番組があったと思いますが、いわば「不揃いなそば達」。まぁーず太いのから細いのから、あれこれめちゃくちゃ、見た目はとても誉められたもんではあーりません。しかし、なんとなく魅力があります。「これ食えば腹一杯なる」と感じさせるものがあります。
何処がって言われても困りますが、いきのいいおばちゃんが腕まくりして、大きな声あげて次々とどんぶりばちに盛ってくるその雰囲気、待ってましたとばかりに食べ始めるお客さん。町の人気者というわけでもないですし、ようするに風景なのでしょう。ただいつもの通り時間が過ぎていくだけなのかも知れません。時間になるとお客さんが来て、そば食って帰っていく。近年、よそ者のそば好きが少し増えただけの、淡々とやってるそば屋なのでしょう。それでも、おかげでチョット儲かったのか、きれいになりました。もちろんおばちゃんではなく店です。しっかり繁盛、しっかり商売、結構けだらけ・・・・・。
もりが450円、大盛りは100円増し、得意のもり天はかき揚げで100円、どっかみたいに堅過ぎてはいません。
山辺から中山に抜ける昔からの道(県道?)、少し町はずれに近い方の左側。看板があるから分かります。もっとも小さな町だから聞けば一発!日曜は休みだったかなぁ?