白鳥十郎長久 血染めの桜・首洗い石鉢

  


 そこで義光は、何としても十郎を討ち取ろうと思い、臣下の氏家尾張守と評定し、尾張守から十郎殿へ書状を送らせました。その書状には、「近隣が不和なので通行も自由にできず、人々が困窮しております。それにつけても義光は、其方と和睦したい考えでおりますので、ご同意ならば今後たがいに異心を抱かないように、十郎殿ご息女を義光の嫡子修理太夫にめ合わせ申したい」旨をいろいろ取りつくろって書いてやりました。