白鳥十郎長久 血染めの桜・首洗い石鉢

  


 十郎殿もそこで、つくづくと思案をし、義光の武勇の誉れを聞くに、なかなかいつまでも敵対関係にあることもかなうまい。この上は、尾張守が和親の提示をしてきたのを幸いに、義光と和睦し、その加勢を受けて近里を手に入れ勢いが強大になったら、その時はその時でいかような謀も可能であろうと熟慮し、義光と和睦したい旨を返事しました。