白鳥十郎長久 血染めの桜・首洗い石鉢

  


 どうか十郎殿に対面をし、国の掟を頼み、また修理太夫が幼年の間は、家の系図も預かってもらいたい」と。そんなふうに言ってやりましたところ、十郎は、願ってもない幸いと悦んで、「そのうち間もなく参会致しましょう」という返事をよこしました。そこでいろいろの謀を構え、その日を待っておりました。