山形そば黄門漫遊記51
そば屋の話題の一つに、その店というか部屋というか御座敷というか何というかインテリアというか要するにその仏壇があったり、叙勲の飾りがあったり、なんとも古そうな皿や壺があったり、書画の類があったりします。
なんとなく立派なお屋敷風のお座敷風に入ったりすると思わず「へぇー」ってなことのなります。でも、珍しくはないし物の値打ちもわからないのでキョロキョロするだけで終わってしまします。新庄のいせきという店を前にお知らせしましたが、店を出て左方向に進んで大きな通りを越えてちょっと細い道を少し入ったところの左側にさぶんというそば屋ができていました。広い敷地に看板が立っており、なんとなく「なんだべ」てな感じで立ち寄ってみたくなります。玄関を入ると毎度おなじみのそば屋なのですが、奥の部屋はちょっと立派なお部屋でおやおやと感じます。
私たちが行ったのがそんな時間だったのかも知れませんが(昼の時間をだいぶ過ぎた頃)、中に入ると若い人たちだけでした。注文取りに来た人も、調理場へ行った人もみんな若い人たちでした。そばもそんな感じのそばで、まぁ店を始めてまだ3カ月だそうですんでそうそう誉められたもんではないですが、若さというか力強さというか歯がかりがしっかりした将来有望なそばでした。
ところで、私はよく歯がかりとか歯ごたえという表現を使います。うどんだと「こし」があるとでも言うのでしょうが、区別の意味もあってそうしています。だいぶ前に誰かに習っただけなんですが、誰だったか覚えていません。死んだおやじだったような気もします。
さて、初めて行った時の話ですが、メニューの中におろしそばというのがありましたので、早速たのんでみました。
普通おろしそばというと、たれに入れる大根おろしが付いてくるやつなので、そのつもりでいたのでしたが、なんと皿盛りになめこおろしがかかっているのが出てきました。まずガッカリしたこと、後悔山のようでした。
せっかくのそばの香りがすっかり隠されてちっともしないのであります。おまけになめこのぬめりがそばたれの絡むのを邪魔してしまい何ともならなくなっています。それにこれではそば湯を楽しむこともできません。他人様が何というかは知りませんが、これはいけません、何と言ってもなめこはいけません。キノコはいけません。キノコなんて美味しい筈がないのです。私はけっして食べません!大嫌いです。
これさえなければ大変美味しいと思うのですが。
結論とすれば、やっぱり『もり』にかぎりますなぁ...