山形そば黄門漫遊記56
かくれたそば屋のように、趣味が高じて始めたそば屋がありますが、寒河江の蕎陶庵もやはりどっかを勤め上げた方だったと聞いたことがあります。平成2年の開業ですから、こちらの方が先輩格です。寒河江の住宅地の中で、まぁちょっとやそっとではわからないでしょう。教えてあげてもいいけれど、説明のしようがないので勝手にしてください。正直言って、私だって行けば何とかわかりますが、紙に書いて見ろと言われたらお手上げになってしまいます。駅前クラブのそばマップに電話番号が載ってますので、しっかり聞いてください。
さて、ちょっと調理場(そば屋の場合なんて呼ぶんだろう)を覗くと、まるで自分の家の台所みたいな所から、お母さんがそばを運んできます。細さでは1,2を争うのではないかと思うくらいのもので、ちょっと前にお話ししました山形は十中前のなかやみたいもんですが、歯がかりはこっちの方がズーットあります。どっちがいいいとか言う話ではありません。これは好き好きですし、私なんかどっちも好きですのでどうでも良いことなのです。細さ故にたれがたっぷり絡んできますので、塩分控えめのお命お大事組は、落語の通のごとくちょこっと浸けて召し上がっても十分楽しめると思います。でも、そば湯が美味いので、結局同じ量を飲んでしまうのですから馬鹿くさいことは最初っからしない方が良いのではないかとも思います。
ここほどではないですが、細いそばを出す店で細く切るのが難しいと言ってたおやじがいました。なんでも、切って切れないことはないんだそうですが、乾燥が早くってすぐにボロボロになるそうで、お客の顔を見てからでもないと、失敗してしまうこともあるんだそうです。その辺になかなか苦労がありそうです。
話は変わりますが、最近何かのテレビでそばが体に良いと言ったそうで、見直され人気がでてきているのだそうです。
そういえば最近、若い方たちがそば屋で多く見かけられるようになったような気がします。誰に聞いてきたのか、いろいろ話しているのが聞こえてきます。テレビの影響ってすごいもんだと思います。「もり」と「ざる」、一度は悩む問題ですが、黙って聞いていると一番面白い話題かも知れません。
それから、この前隣の席に来た若いおねぇさん2人連れ、「板そば」って注文するから結構多食いなんだなぁと思っていたら、「なにこれ、ただ量が多いだけじゃないの」とヒソヒソ話をして、結局半分残して帰っていきました。