山形そば黄門漫遊記70
先日(平成11年3月下旬)白鷹町の美代乃そばに行ってきました。道路拡張に引っかかって、役場の側から新築になった町立病院の側に移転いたしました。一見そば屋らしくなったので、今度は『通年やるようだ』との嬉しい噂が流れて来ました。真っ先に確かめましたら、「すぅねぇー(しないよ)、いますこすでやめっだなぁ(今年ももう少しで終わりですよ)」と素っ気ない返事でした。
なんでも水が温むとそばがしまらなくなってダメなんだそうです。まぁ仕方のないことでしょうが、いつもの年より漬け物が少ないのは残念でした。そう言えば、この町の温泉保養施設”パレス松風”で、去年から『彼の旗』を立ててそばをやっていることは前にチョットだけ申し上げましたが、一日何人分かの限定だそうでして、行ったけど食えなかった話は何人かから聞きましたし、そういう私たちもまだ一度もいただいてはおりませんでした。
ある日の夕暮れ時、春とはいえチョット寒かった日の帰り道。「ちょいと暖まってまいりましょうか」ということになりまして、お風呂に寄らせていただいた時のことです。しっかりと暖まって(ここの湯は結構キクゥーのであります)食堂でビールをいただいておりましたが、ダメモトで「そばはもう無いんでしょう」と尋ねると、なんと「ございます」との返事でした。これはラッキー!と早速頼んで待っておりますと、暫くして黒々としたそばが運ばれてまいりました。そばの黒さにもいろいろありますが、ここのはまさに黒っぽいやつです。黒さはこの辺りのそばの特長です。先に書いた美代乃そばの黒さに似ていると言ったらチョット違うかも知れませんが、ホントに黒い感じがしました。
さて肝心のお味の方ですが、4人で行って文句は一言も出ませんでしたし、そばゆをお替わりしましたと言うことから推測して下さい。なんせ私も初めてでしたし、そばを食う気で行ったのではないものですから、美味かったことは間違いないのですが表現がうまく出来ない状態です。ただ、風呂あがりに飲んだスパードライはうまかった。
今工事をしていて、お風呂がもっと大きくなるんだそうです。その内もう一回行った後で、またご報告することにいたしましょう。ただ、言えることは公共の宿風のホテルの食堂でイスに座っていただくわけですから、なにか物足りなさが感じられたのはしょうがないような気がします。そば屋はそば屋で行く方にとっても何というか、環境というかロケーションというか雰囲気というか、結構わがままな物かも知れません。