山形そば黄門漫遊記83

 前に寒晒そばのことをお話しいたしましたが、今年(平成12年)も出荷の季節になりました。毎年、試食会があっていろんな方々がお招きいただくのをTVのニュースで見せられ、山ほどの妬みやっかみで諦めておりましたが、なんとひょんな事から願いが叶うこととなりました。

 山形の東のはずれ、山形自動車道の関山インターへ行く途中、蝋燭庵のちょっと手前に彼の鈴木製粉の工場がありまして、近年隣に”石うすの館”というそば館が増設されました。その一階に、噂に聞いていた”そばを食う場所”がありまして、一度で良いから行ってみたいと思っておりました。
 ついに来たのです、ついに来たのです。お偉い人だけが招かれて、美味しいそばを食っているという『この場所』へ。

 かなり僻んでいたのは確かです。何といっても、建物の見かけがもしかしたらそば屋のコーナーもあるんじゃないかと勘違いするような造りですので、出来て間もない頃にのこのこ入って、「ここでそばをいただけるんですか」なんてお尋ねしたくらいだったんです。

 確かに、県や市をはじめとしてお偉いさんが沢山居られましたが、毎度毎度のそば好きさんもそこらここらにいっぱいおりまして、何故かホッとしました。
 ごあいさつが少し長かったので、少々時間が経ってしまい、最初の一枚目は感激いまいちでしたが、茹でたてをすぐいただいた二枚目は実に美味しいのでありました。なんというか、そばの”甘さ”というのがよぉーくわかる、のどごしが良いというのがヨォーークわかる、ワカルカナァー、ワカンネェダロウナァ。高いの安いの、日頃の文句は今日ばかりは全くありません。なんてったって究極の『ただ』なんであります。

 ところで、先日とある麺好きとそばの値段について話をしたら、そば粉はうどん粉ほど生産されていないので、「うどんと一緒はかわいいそうだなぁ」と言われました。そんなものなのでしょうか、地元の粉だけでやっていくなんてとても無理なことなんでしょうか。

 話は戻りますが、山形の麺組合ではこの寒晒そばを一年中味わえるように、乾麺も作りました。試食会のおみやげに二束ほどいただきましたが、まず結構なもんです。名付けて『山めん献上そば』と言いまして、限定品ですが組合員のお店で販売されるそうです。
 前に申し上げましたが、そもそも山形のそばが名を上げた時の週刊誌のランキングは乾麺が対象だったそうですから、もしチャンスがあったら手に入れて召し上がってみて下さい。その時はたれもお酒も「めーどいんやまがた」にすると、さらにグーかと存じます。
 お酒の銘柄がお知りになりたければメールでお尋ね下さい。ただし好みですので、合う合わないは知りません。

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