山形そば黄門漫遊記85

 よくある話し。 アハハであります。 まったく山形はうるさい町です。

 最近また一軒そば屋ができたという話を聞いて、行ってみたくなりました。 一人で行って外れだと悔しい気がしたので、後輩を連れて行くことにしました。 まだお奨めと言うほどではないのですが、いかにも山形の新顔らしかったのでお話しいたします。

 山形から金井まわりで上山へ行く道、JRの蔵王駅の方へに向かって行きますとやが橋にさしかかります。 その橋を渡って行くと左側に例の旗が立っていますので、案外わかりやすいと思います。 たしか そば工房しばた と書いてあったと思います。市街地のはずれの住宅地の奥という立地条件、前に書きました青田の茂三郎がちょうどこんな感じだったと思います。

 その日はオヤジが一人でやってましたので、結構時間がかかりそうでしたし、実際そうでした。 はっきり言ってこんな小さな店なのに、野菜天ぷらとかいかげそ天、さらには肉そばなんてメニューがやたらと多い、これが最初に感じたことでした。

さて、常連さんらしい先客さん、よくしゃべるよくしゃべる、待ちくたびれたせいなのか、文句に冷やかしそして皮肉。 やっと出てきたら贔屓の引き倒しなんてもんじゃないブッ倒し!、「なんだず、今日のはいつもと違うな」から始まって「今までで一番んまぐない(美味しくない)」、一緒に連れて来た多分部下の女性に「んだべ?(そうだろう)」。するとその女性も結構うるさくて、「いつもはもっと歯がかりあったよねぇ」と追い打ちを掛ける。 さすがのオヤジも他の客の手前もありチトお手向かい、よせばいいのにと思ったが後の祭り。 「なに、食ってみろ、ほれ、このままで良いから」そして続く「んだべ、今までで一番んまぐないず、んだべ(そうだろう)」。 ここに至ってこのオヤジ「実はかがぁ(女房)と夕べ喧嘩して・・・」と吐いてしまった。 「ほだなで(そんなことで)商売に出るようではダメっだなぁ」とおしかり。 アハハ。

 まぁ我々とすれば、いちばんダメでどの位か分かるわけだし、ある意味では次回の楽しみみたいなもので、そんなにひどくなければ、まぁいいでしょうてなことになります。

 結論を言いますと、これで一番ダメというのなら、また来てみたいもんだと言うことです。 一番うまい時に当たってみたいもんです、ハイ。

 帰りがけ「うるさいのがいるんだねぇ、そんなに調子悪かったのかい」と尋ねたら、

「きんな(昨日)の夜、飼ってた犬が死んでよう」と言い訳してました。 夫婦喧嘩の原因かどうかは知りませんが、まぁまだ開店半年、トーシロに毛が生えたようなそば屋ですので、先を見てあげましょう。腕は良いようだからシッカリシロヨ、今度はアハハじゃ済まないよ。

漫遊記80へ漫遊記78へJMCYホームへ