山形そば黄門漫遊記68

 『遊興法人 山形駅前クラブ』の幹事長で黄門様のお蕎麦ご用人様が先日お亡くなりになりました。何か供養をしたいということになりまして、大変なそば通でしたので、お墓参りをした後で追悼の意味を込めて、黄門様が初めての店へ参ることにいたしました。いわゆる新規開拓であります。

 晩秋の西山の菩提寺から山裾添いに南下し、狸森(前にも書きましたが、これで「むじなもり」と読みます。「たぬきもり」ではありません。念のために)を通って国道13号線へ出ます。上山の北の外れ、競馬場近くからエコーライン(蔵王山の山岳観光道路)へ向かう道路へ入って間もなくの左側、まねき庵へ参りました。私はだいぶ前に来た事があるはずなんですが、殆ど記憶にありません。多分、かのご用人様も寄られたことは無かったと思います。そんなに名前が売れている訳ではありませんが、昼になると人が寄ってきます。際だった特長のあるそばではないのですが、逆に特長のあるそばを食ってばかりいると、ホッとするそばなんです。多分二八の「丁寧なそば」とでも言うのでしょうか、食べやすさが一番というのが特長かも知れません。おそばご用人様がいらしたならば、きっと何か誉め言葉があったろうなぁと思います。前に、蝋燭庵という店を書きました時に、その特長で蕎麦つゆの”透明度”ということにしたが、ここはその点で争う店かもしれません。値段も満足の範囲内でした。

 さて、話は逸れますが、比較的にそばが今一と言われている今年、蝋燭庵は美味かったです。ホントに不思議なものですがそう感じました。
 話はさらに逸れますが、先日かの大山桜で”寒ざらしそば”なるものをいただいてきました。うまいかそうでないかは別として、通常は一人前(ざる2枚)600円,大盛り(3枚)900円が、一人前1000円,大盛り1500円でした。んんんんんー・・・

 そういえば、先だって”天童織田藩縁の寒中引き抜きそば”の話を聞くことが出来ました。新聞によりますと、その昔将軍様にそばを献上なさった九つの藩があったそうで、その内の一つが天童藩だったと言う由緒あるそばだそうです。でも、それだったら一番おいしいのか九番目なのか全部食わなければ納得できなくなりますので、困ったものです。それでもさすがは天童そば組合、出し惜しみなんてせずに、市内20店舗で提供したそうです。私は残念ながらいただく機会を得ませんでしたので、値段も味も分かりませんが、普段より高いのだったら”美味くて当たり前”ですので、いつか一度いただければ結構かと存じます。

 いつも言いますが、たかがそばなんですから《安くて美味い》のが最高なのです。「当たり前のそばが少なくなっている」のだと、かのおそばご用人様の言葉が思い出されます。

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